電気工事士の「怖いはなし」

日記
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ガイコツの巣くう館

電気工事に従事している方は停電状態での作業をすることが多いですよね。

必然的に「真っ暗闇」の中での作業になるかと思います。

そこで私の体験した停電での怖い話をしようかと思います。

エピソード1「廃墟」

ある夏の日の話です。

会社に一本の電話がなりました。

お客さん曰く、電気の点検業者が「漏電しているので見て貰って下さい!」と言われたので、「調査して頂いてもいいですか?」との事でした。

いまでは、使用していない建物なので漏電調査をするのは「いつでもいいですよ。」と言われていましたが、丁度その時は自分が暇だったので

上司
上司

お前、暇なら行ってこいよ!!

と、上司に言われ渋々現場に向かうことにしました。

現地についてビックリしました。

これぞまさに廃墟!廃墟of the廃墟と言わんばかりの廃墟でした。

もう、現場に入りたくありません。とても怖いです。

自分は昔から幽霊のたぐいが「大の苦手」・・・

とりあえず会社に電話します。

いちきゅっぱ
いちきゅっぱ

だ・誰・・誰か空いている人いませんかね??

事務員
事務員

今?誰もいないかな~

一緒に調査をしてくれる仲間を探そうとしましたが

誰もいませんでした・・・

作業車から「ありったけの仮設ライト」を準備して入口の前に立ちますが、やっぱり怖いです。

自分を鼓舞しながら入口の前をウロウロすること10分程度、やっと決心がつき建物の中に入りました。

ラッキーな事に入口すぐに分電盤があるではないですか!!!

もう「スーパーラッキー」ですよ。

心の中では悪い回路見つけてさっさとおさらばする予定でした。

でしたが、なんと・・・・

「主幹ブレーカー」のみの分電盤ではないですか!?

これ以上建物内に入りたくない自分は「漏電していなければ帰ろう・・・」と淡い期待をしながらメガで絶縁抵抗を測る事にしました。

値は0「ゼロ」。もう、だだ漏れです。

さすがに、この状態のまま帰るわけにはいかずに調査を続ける事にしました。

エピソード2「地獄の門」

外見では二階建てだと思っていましたが、実際は吹き抜けで1フロアでした。

以前は鮮魚系の倉庫として使っていたらしく部屋数も2部屋のみで分岐用の分電盤もすぐにみつかりました。

分電盤を見つけてホッしたのもつかの間「まったく漏電していない・・・」

困った事に他にも分電盤がありそうです。

しかし、建物の大きさ上これ以上の部屋はありません。

ビビりながらも物入の扉をあけながら他に分電盤がないか探していると

最悪な事に地下への階段があるではないですか!!

もう、真っ暗!一寸先も見えませ。

扉を開けておくのも怖いです。閉めます。もう開けません・・・

帰りたいです・・・

いちきゅっぱ
いちきゅっぱ

諦めました。ここでギブアップです。

片っ端から先輩に電話をかけて一緒に調査してくれる人を探しました。

当然、こんな廃墟だとは「教えてあげません!」

教えたら誰も来ないですからね。

そして、騙された先輩一人が到着しました。

しかし先輩も泣き言しか言いません。

「何ここ?」、「真っ暗やん!」、「俺も入りたくない」、「俺もお化けこわい」

さて、この漏電調査はどうなるのでしょうか・・・?

エピソード3「たたずむ者」

ヘッドライト、手持ちライトを片手に男二人で抱き着きながら地下への階段を下りて行きます。

地下にたどり着くと、もっと恐ろしい光景が広がっていました。

地下は冷蔵室が連なっており見た目は「バイオハザード」です。

半開きのドア、壊れて落ちそうな照明、自分たちのライトで照らされた影。

階段を下りてから一歩も動けず二人で圧倒されていました。

冷蔵室の扉を開けるのは怖すぎたので「冷蔵室には絶対分電盤は無い!!」と二人で言い聞かせながら冷蔵室は無視して通路を歩いていきます。

覚悟を決めて少しずつ奥へと進んでいきます。

道中、冷蔵室のドアが開いてゾンビが出てくるのではないかと、後ろが怖くて何度も振り返りながら奥に向かっていった

その時!!

ささっ!すたたた!何かが走って行っていきます。

大の大人の男が二人して「わああぁぁぁ!!」と声を出してしまいました。

怪しく光る二つの目!!

なぜかネコがいるではないですか

こんな真っ暗の中、しかも出入口の無い地下になぜ??と話しながら奥に行くと少し光が差し込んでいました。

奥には用途不明のドアがあり半開きになっていたため、そこから猫は出入りしているみたいでした。

その光にうっすら照らされながら奥の部屋で待ち構えていた者は!!

両手で収まるのがやっとの「ウシガエルのガイコツ」でした。

いつからそこにいたのでしょうか?

本当にきれいに骨だけになってカエル座りをしていました。

それと同時に、本当にちょうどよく隣に最後の分電盤をみつける事ができました。

その時、先輩はカエルに気付いていたのか知りませんが

先輩が分電盤に向かって行きました。

そしてカエルに最後の時が訪れます。「バキバキッ!バキ」

先輩の「うわああぁー!」との叫び声と共にカエルのガイコツは崩れさりました。

バラバラになった骨を見ながら、最後の分電盤でメガ測定を行い

結果は地下の照明回路が漏電していました。

帰り道も真っ暗な中ビビりながら帰りました。

そのあと、お客さんには「地下の照明が不良です。」と告げましたが、使っていないため「直さなくても大丈夫。」との事でした。

さいごに

10年以上前の話になりますが、この後はこれほど怖い現場には会っていません。

普通の場所なら、30分程度で終わる作業が半日近くかかりました。

動けず、2時間近く固まっていたのでしょう・・・

みなさんも、危険な怖いとちがった、怖い思いをした現場があるのではないでしょうか?

そんな電気屋ですが、めげずに頑張っていきましょー!

ご意見・ご感想はコメントよりお願いします。

バイバイまたねー✋

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