現場代理人のための「金属管配線工事」の施工方法

施工
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総まとめ「金属管配線工事」の施工方法

金属管とは

金属配管には、厚鋼電線管(G管)、薄鋼電線管(C管)、ねじなし電線管(E管)の主に3種類があります。

そのほかには、厚鋼電線管(G管)の表面に合成樹脂被覆処理を施したポリエチレンライニング鋼管(GLT管・PE管)やステンレス管があります。

始めて金属管を見た時は、ねじ有とねじ無がごっちゃになりますが配管本体に「ねじが切ってあるか」で判断します。とくにカップリングなどでは「ねじなしカップリングの固定用ねじ」と勘違いをしやすいです。

使用できる場所

金属管配線(300V以下・300V超過)は屋内、屋外、点検できる、点検できない等を問わず全ての場所で使用できます。

注意
  • ラス張り等の導電性の外壁を貫通する場合は絶縁処置が必要
  • 木造住宅等の屋側配線になる場合は、木造以外の造営材に施設する(金属管を通しての漏電による火災を防止するため)

金属管の選定ポイント

材質

屋外で使用する場合は、溶融亜鉛メッキを施した(G管)、合成樹脂被覆を施した(PE・GLT管)、ステンレス製(E管、C管、G管)があります。

他に丸一鋼管よりアルミニウム・亜鉛合金メッキ製(スーパーダイマーみたいなやつ?)があり、E管でも屋外で使用できるものもあります。一度、客先の指定品として海岸部のプラント設備に使用したこともあります。

溶融亜鉛メッキ製品を加工(切断・穴あけ)した場合はローバル等で加工面を補修しましょう。

合成樹脂被覆製品は、傷部分から錆が発生しやすいので補修を行いましょう

ステンレス製はステンレス以外の付属品を使用すると電食を起こしますので他の金属製品と混ぜて施工しないように注意しましょう。

太さ

金属管の太さを選定していくためには、使用する電線・ケーブルサイズ、本数及び配管ルートの屈曲箇所、プルボックス等の中継場所などを総合的に考慮して決めていなければいけません。

最近の現場では、天井裏へのオール配管はしないと思いますので、幹線用や機械室等の二次側配線用の露出配管が多いと思います。

また、内線規程等に定めらている選定表は絶縁電線(IV)を使用する事を前提にかかれていますので、ケーブル工事の場合は無い断面積の占有率を参考にしましょう。

ケーブル工事に使用する金属管の太さの選定では下記を参考に選定します。

  1. 管の屈曲が少なく容易に、電線を引き入れ及び引き替えができる場合は、電線(ケーブル)の絶縁被覆を含めた断面積の総和が「48%」以下とすることができる(勧告)
  2. 異なる太さの電線を同一管内に収める場合の金属管の太さは、電線(ケーブル)の絶縁被覆を含む断面積の総和が管の内断面積の「32%」以下となるように選定すること(勧告)

絶縁電線(IV)等の本数及びサイズからの選定は内線規程(下記表)を参考にして下さい。

金属管の施工

金属管の敷設

配管・プルボックス

1区間の屈曲数は4箇所以下とし、合計の曲げ角度の合計が270度を超えないようにする。

プルボックスや丸ジョイントボックスの取付間隔の目安としては3直角(計270度)及び配管亘長の30m(配管目安7~8本)おきに取付けた方が後々の配線作業も楽になります。

通路上などに配管を行う場合は高さ2.3m以上とし、通行の妨げにならないようにする、また、床上配管はできるだけ避けましょう。

床上配管や地上露出配管を行う場合は、歩廊架台などを利用してみましょう。配管の保護や通行者の安全性アップになります。

コンクリート埋設配管

コンクリート埋設配管を行う場合は、スラブ厚の1/4を超えるまたはE31を超えるものは避け、配管が多数並ぶ場合の配管の間隔は25mm以上あけコンクリート打設に影響が出ないようにしましょう。あまりに多いときは現場監督に一言断っておいた方が無難です。

ボックスや配管へのコンクリートの流入を防ぐ為に、テープやキャップを使用する。昔はよく、新聞紙やタオルなどを詰めている方もいましたね。

配管の支持

支持間隔

配管の支持は2m以下とする。

プルボックス等の端、接続点及び管端の近い箇所を固定する必要がありますので目安として300mm~500mm以下に支持を入れましょう。

(公共工事標準仕様書での、管端等の近い位置とは300mm以下となっています、監理指針ではプルボックス端から500mm以下)

支持材

配管の支持材は多数ありますが、基本的はベースサドル、ダクターを使用した方法ではないでしょうか。

施設内の分岐回路(細い配管)に使用する事が多いのがサドルベースになるかと思います。サドルベースの良い所は露出スイッチボックスや、丸ボックスに接続する時に配管をS曲げしなくても良い点です。ちょうど接続口の厚み分配管が壁面等より浮くので真っすぐ接続する事が可能です。

多数の配管が並ぶときは、ダクターとダクタークリップを使用した方が施工性や美観が良くなります。

人が触れるおそれのある(2m以下)支持材等には保護キャップを取付ると良いでしょう。

ダクターのエンドキャップとクリップ用のキャップ両方を取付ける事でより安全になります。屋外に使用する場合は対候性のあるグレーか黒色を使用しましょう。

ダクターの施工後にキャップを取付けたい場合は、背中部分が切りかいてある後施工用のキャップもあります。

取付強度をあげたい時は、接着材を使用するのも良いでしょう。使用しなくても外れた物を見たことはありませんが・・・

金属管の配線

配線の接続点は金属管内には設けてはならない、プルボックスやアウトレットボックス内にて行う。

垂直管路内に電線を施設する場合はゴムストッパなどを使用し下記の表の通り電線を支持する。

電線の太さ【㎟】支持間隔【m】
38以下30以下
100以下25以下
150以下20以下
250以下15以下
250超過12以下
表2.2.4 垂直管路内の電線支持間隔

ヨツギ株式会社

金属管の付属材

金属管の接続材

カップリング

金属管相互を接続する場合は、カップリングを使用する。

ねじなし電線管ではねじなしカップリングを使用する。金属管の接続位置が決まってから締め付け用のネジを切った方がいいです。

防水タイプのカップリングやボックスコネクタを接続する時は、シリコンスプレー などを使用し摩擦抵抗を少なくして挿入すると施工が楽になります。

ねじなし電線管(E管)
薄鋼電線管(C管)・厚鋼電線管(G管)
厚鋼電線管
ねじなし防水カップリング(G管)

厚鋼電線管及び薄鋼電線管ではねじありカップリングを使用します。配管やノーマルを回して接続するため、どうしても配管を回す事ができない部分があります。その時は、ユニオンカップリングを使用するか、送りカップリング法により接続する。

ノーマル

配管を90°曲げる時に使用するものです。

薄鋼電線管やねじなし電線管ではパイプベンダ等で曲げることもできますが、配管が太いものや厚鋼電線管では作業が大変になるので、ノーマルを使用します。

カップリング同様にねじなし電線管では配管位置が決まってから固定用ネジを切った方がいいです。

また、厚鋼電線管・薄鋼電線管にノーマルを使用する場合はカップリングもセットで必要になります。

ねじなしノーマル(E管)
薄鋼電線管ノーマル(C管)・厚鋼電線管ノーマル(G管)

ボックスコネクタ

プルボックスや分電盤へ金属管を接続するときに使用します。

防水ボックスコネクタはカップリング同様シリコンスプレーをゴムパッキン部に使用すると施工が容易になります。

また、ボックスコネクタにはアース線を接続するためのビスが付いていますのでラジアスクランプが不要になります。

ねじなし電線管(E管)ボックスコネクタ
厚鋼電線管(G管)防水ボックスコネクタ

厚鋼電線管及び薄鋼電線管をボックスコネクタを使用せずにロックナットにてプルボックス等への接続する事も可能です。アース線の接続にラジアスクランプが必要になり施工では手間が増えます。しかし、防水ボックスコネクタより安価なので、材料費を抑えたい時に使用しましょう。

その他

防食テープ

配管を埋設する場合や、屋外での接続部などに防食テープを使用します。

防食テープの施工上の注意点は、1/2巻き(1/2重ねて二重になるように)をして、隙間なく巻き付けます。また、立上り・下がりではテープは下から巻き水が溜まらないように巻きます。

沿岸部などの重塩害地での施工の場合、ペトロラタム系の防食テープ(日東 日東 防食テープNo.59L 50mm×10m 59L50)を使用するといいでしょう。製品がベトベトなので合わせて、手袋を準備しておいた方がいいです。

金属管の接地

接地工事の省略

対地電圧が150V以下の場合は、乾燥した場所に施設するか、簡易接触防止を施した場所で、金属管の全長が8m以下の場合は接地工事を省略する事が出来ます。

対地電圧が150Vを超える場合は、乾燥した場所に4m以下の金属管を施設する場合は接地工事を省略する事が出来ます。

接地工事に使う部材

ラジアスクランプ

金属管への接地工事の際に、ねじなしボックスコネクタを使用しない場合に必要になります。

アース線を配管に押し付けるように巻き付けて使用します。

慣れないと巻き付けが弱くアース線が抜けてしまいますので、施工の手間や品質を確保する為にはボックスコネクタを使用しましょう。

外山電気株式会社 ホームページより

接地線の太さ

金属管及びプルボックス用のボンディングに絶縁電線(IV等)を使用する場合は、機器用アースと同じように「配線用遮断器(A)×0.052=接地線サイズ(sq)」が適用されます

そのため、基本的にボンド線に使用する電線は裸銅線をしようする決まりになっています。

しかし、次の場合は絶縁電線であっても裸銅線と同等の扱いをすることができます。

ボンド線を外傷などから保護するための配管に入れることなく使う事が可能な場合においては、ボンド線の許容温度上昇(880℃)を適用し、その回路の配線用遮断器によって保護する故障電流(定格電流の20倍)と通電時間(0.1秒)に対してボンド線の熱的強度及び機械的強度を考慮して断面積を選定できるものとする。この場合は「電流(A)×0.019=電線サイズ(sq)」となる

配線用遮断器等の定格電流【A】ボンド線の太さ
100以下2.0mm以上
225以下5.5sq以上
600以下14sq以上
表2.2.1 ボンド線の太さ(裸銅線)

耐震設計

設備機器の設計用標準震度

        耐震クラスS耐震クラスA耐震クラスB
上層階
屋上
塔屋
2.01.51.0
中間階1.51.00.6
地階
1階
1.00.60.4
※層階の定義
  1. 上層階の定義
    • 2~6階建ての建築物では、最上階を上層階とする。
    • 7~9階建ての建築物では、上層の2層を上層階とする。
    • 10~12階建ての建築物では、上層の3層を上層階とする。
    • 13階建ての建築物では、上層の4層を上層階とうする。
  2. 中間階の定義
    • 地下階、1階を除く各階で上層階に該当しない階を中間階とする

電線管の耐震支持の適用

設置場所耐震クラスA・B耐震クラスS
上層階
屋上
塔屋
電気配管の支持間隔
12m以内に1箇所A種を設ける
電気配管の支持間隔
12m以内に1箇所S・A種を設ける
中間階電気配管の支持間隔
12m以内に1箇所A種又はB種を設ける
電気配管の支持間隔
12m以内に1箇所A種を設ける
地階
1階
        〃       〃

電線管の耐震支持方法

  • S・A種はアングル架台で支持する
  • B種の場合は、全ねじボルト等で振れ止めをとる(複数本の場合は、ダクター等に配管を並べて、ダクターに振れ止めをとる)

あると便利な工具

バンドソー

電線管工事には必須アイテムと言ってもいいくらいの工具です。高速カッターとは違い火花もでずに作業音も小さく施工場所の制限が少なくすみます。

ラチェット式カッター

バンドソーやレシプロソーなどの工具が入らないような場所で役に立ちます。

刃が配管の周りを回転しながら切断する工具になります。

ローバル

厚鋼電線管(溶融亜鉛メッキ製)の切断面の補修に使用します。スプレーの他にも缶製品もあります。

参考書まとめ

各参考書をまとめたものを下記に記述します。

また、同じような内容や製品自体に対する要求、または曖昧な表現は割愛している項目もあります。

※ 例 堅固に固定する、ケーブルはもつれない様にする、等

公共建設工事標準仕様書 まとめ

第2編 電力設備工事 第2章 施工 第2節 金属配線工事

2.2.1 電線

  1. 電線は、EM-IE電線等とする(官庁物件)

2.2.2 管の付属品

  1. 付属品は、管及び施設場所に適合するものとする

2.2.3 隠蔽配管の施設

  1. 管の切り口は、リーマ等を使用して平滑にする
  2. 位置ボックス及びジョイントボックスは、造営材等に取り付ける。点検出来ない場所には設けてならない
  3. 分岐回路の配管の1区画の屈曲箇所は、4箇所以下とし、曲げ角度の合計が270度を超えてはならない
  4. 管の曲げ半径(内側半径)は、管内径の6倍以上とし、曲げ角度は90度を超えてはならないただし、管の太さが25mm以下の場合で施工上やむえない場合は、管内断面が著しく変形せず、管にひび割れが生ずるおそれのない程度まで管の曲げ半径を小さくすることができる
  5. 管の支持は、サドル、ハンガ等を使用し、その取付間隔は2m以下とする。また、管とボックス等のとの接続点及び管端に近い箇所を固定する
  6. コンクリート埋込みとなる管は、管を鉄線、バインド線等で鉄筋に結束し、コンクリート打込み時に移動しないようにする。
  7. コンクリート埋込みとなるボックス、分電盤の外箱等は、型枠に取付る。なお、ボックス、分電盤の外箱等に仮枠を使用した場合は、ボックス、分電盤の外箱等を取付た後、その周辺にモルタルを充填する

2.2.4 露出配管の敷設

  1. 隠蔽配管の施設と同様
  2. 管を支持する金物は、鋼製とし、管数、管の配列及びこれを支持する箇所の状況に適合するものとし、スラブ等の構造体に取付ける
  3. 雨のかかる場所では、雨水侵入防止処置を施し、管端は下向きに曲げる

2.2.5 管の接続

  1. 管相互の接続は、カップリング又はねじなしカップリングを使用し、ねじ込み、突合せ及び締め付けを行う
  2. 管とボックス、分電盤等との接続がねじ込みによらないものには内外面にロックナットを使用して接続部分を締付け、管端には絶縁ブッシング又はブッシングを設ける。ただし、ねじなしコネクタでロックナット及びブッシングを必要としないものは、この限りではない
  3. 管を送り接続とする場合は、ねじなしカップリング又は、カップリング及びロックナット(2個)を使用する。ただし、防錆処理を施した管のねじ部分には、ロックナットを省略する事ができる
  4. 管とボックスの間には、ボンディングを施し、電気的に接続する。ただし、ねじ込み接続となる箇所及びねじなし丸形露出ボックス、ねじなし露出スイッチボックス等に接続される箇所は、ボンディングを省略することができる
  5. 管と分電盤等の間は、ボンディングを施す
  6. ボンディングに用いる接続線(ボンド線)は、次の表2.2.1に示す太さの軟銅線を使用する
  7. ボックス等に接続しない管端は、電線被覆を損傷しないように絶縁ブッシング、キャップ等を取り付ける
  8. 湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する配管の接続部は防湿又は、防水処置を施す
配線用遮断器等の定格電流【A】ボンド線の太さ
100以下2.0mm以上
225以下5.5sq以上
600以下14sq以上
表2.2.1 ボンド線の太さ

2.2.6 配管の養生及び清掃

  1. 管に、水気、じんあい等が侵入し難いようにし、コンクリート埋込となる場所は、管端にパイプキャップ、キャップ付きブッシング等を用いて養生する
  2. 管及びボックスは、配管完了後速やかに清掃する。また、コンクリートに埋設した場合は、型枠取外し後、速やかに管路の清掃、導通確認を行う

2.2.7 位置ボックス及びジョイントボックス

  1. スイッチ、コンセント、照明器具等の取付位置には、位置ボックスを設ける
  2. 器具を実装しない位置ボックスには、プレートを設け、用途別を表示する。ただし床付きプレートには、用途別表示を省略することができる
  3. 天井又は壁埋込の場合のボックスは、埋込すぎないようにし、ボックスカバー(塗代付き)と仕上がり面が10mmを超えて離れる場合は、継枠を使用する。ただし、ボード張で、ボード裏面とボックスカバーの間が離れないように化施工した場合は、この限りではない
  4. 不要な切抜きがあるボックスは、使用しない。ただし、適切な方法により穴をふさいだものは、この限りではない。なお、ボックスのノックアウトと管の外径が適合しない場合は、リングレジューサーをボックス内外両面に使用する
  5. 内側断熱を施す構造体のコンクリートに埋込むボックスには、断熱材等を取付ける
  6. 金属管配線からケーブル配線に移行する箇所には、ジョイントボックスを設ける
  7. 位置ボックスを通信・情報設備の配線と共用する場合は、配線相互が直接接触しないように絶縁セパレータを設ける

2.2.8 プルボックス

  1. プルボックスは、点検出来ない場所に設けてはならない
  2. プルボックス又はこれを支持する金物は、スラブ等の構造体につりボルト、ボルト等で取付ける。なお、つりボルト、ボルト等の構造体への取付は、あらかじめ取付用インサート、ボルト等を埋込む。ただし、やむを得ない場合は、必要な強度を有するあと施工アンカーを用いる
  3. プルボックスの支持点数は、4箇所以上とする。ただし、長辺の長さ300mm以下のものは2箇所、200mmいかのものは1箇所とする事が出来る
  4. プルボックスを支持する吊りボルトは、呼び径9mm以上とし、平座金及びナットを用いて取付ける
  5. プルボックスを支持するためのボルト、蓋の止めネジ等のプルボックス内部への突起物は、電線の損傷を防止するための措置を施す。ただし、電線を損傷するおそれがないように設けた場合は、この限りではない
  6. 水気のある場所に設置するプルボックスの取付面は防水処置を施す
  7. プルボックスを防災用配線(耐火・耐熱ネーブル除く)と一般用配線で共用する場合は、次のいずれかによる。なお防災用無線とは、消防法又は建築基準法に定めるところにおる防災設備(消防用設備、防火設備、排煙設備、非常用照明設備等)の電源又は操作用の配線であって、耐熱性能を必要とするものをいい、一般用配線とは防災用配線以外の配線をいう。
    • 防災用配線と一般用配線との間に標準厚さ1.6mm以上の鋼板で隔壁を設ける
    • 防災用配線に耐熱性を有する粘着マイカテープ、自己融着性シリコンゴムテープ、粘着テフロンテープ等を1/2重ね2回以上巻き付ける

2.2.9 通線

  1. 通線は、通線直前に管内を清掃し、電線を損傷しないよう養生を行しながら行う
  2. 通線の際に、潤滑剤を使用する場合は、絶縁被覆を侵すものを使用してはならない
  3. 長さ1m以上の通線を行わない配管には、導入線(樹脂被覆鉄線等)を挿入する
  4. 垂直に施設する管路内の電線は、表2.2.4に示す間隔でボックス内において支持する
  5. プルボックスの蓋には、電線の荷重がかからないようにする
電線の太さ【㎟】支持間隔【m】
38以下30以下
100以下25以下
150以下20以下
250以下15以下
250超過12以下
表2.2.4 垂直管路内の電線支持間隔

2.2.10 回路種別の表示

  1. 盤内の外部配線、プルボックス内、その他の要所の電線には、合成樹脂製、ファイバ製等の表示札を取付、回路の種別行先等を表示する

2.2.11 接地

接地は、第13節「接地」による

電気設備工事監理指針 まとめ

第2編 第2章 第2節 金属管配線

2.2.01 一般事項

  1. 同一電線管に多数のEM-IE線等を収納する場合は、許容電流が低下するので、表2.2.1により補正する。
  2. 位置ボックス、ジョイントボックスとはコンクリートボックス、スイッチボックス、アウトレットボックス、露出ボックス、露出スイッチボックスをいう
  3. 造営材とは、造営材及び電気設備工事で取付けたボルト、つり金物等の支持材をいい、その部分は下記のとおり
同一管内の電線数電流減少係数
3以下0.7
40.63
5~60.56
7~150.49
16~400.43
41~600.39
61以上0.34
表2.2.1 電流減少係数
表2.2.2 造営材の区分
  • 造営材等
    • 造営材
      • スラブ等の構造体
      • 構造体以外の物(吊りボルト、天井下地材、天井材、壁下地材、壁等)
    • 電気設備工事で取付けたボルト、つり金物等の支持材

2.2.1 電線

電線はEM-IE電線、EM-IC電線等の絶縁電線とする。なおケーブルを使用する場合は、第10節「ケーブル配線」による。

2.2.2 管の付属品

金属管の付属品は、保管及び輸送中に品質劣化のないものを使用する。

2.2.2.1 管

  1. 金属管の太さの選定は、表2.2.3及び表2.2.4による
  2. 異なる太さの絶縁電線を同一の管内に収める場合は、電線の被覆絶縁物を含む断面積の総和(補正係数を乗じた総和)が管の内断面積の32%以下となるように選定する。金属管配線の補正係数を、表2.2.5に、電線管の内断面積の32%及び48%の値を、表2.2.6及び表2.2.7に示す
  3. 管の屈曲が少なく、容易に電線を引き替えることができる場合は、電線の被覆絶縁物を含む断面積の総和(補正係数を乗じた総和)が、管の内断面積の48%以下とすることができる。
表2.2.3 薄鋼電線管の太さの選定
表2.2.4 ねじなし電線管の太さの選定
電線太さ
単線(mm)
電線太さ
より線(㎟)
補 正 係 数
1.62.0
2.02.0
2.65.51.2
3.281.2
14以上1.0
表2.2.5 絶縁電線を金属管内に収める時の補正係数
電線管の太さ
(管の呼び)
内断面積32%
(㎟)
内断面積48%
(㎟)
196395
25123185
31205308
39305458
51569853
638891333
7513091964
表2.2.6 薄鋼電線管の内断面積の32%及び48%
電線管の太さ
(管の呼び)
内断面積の32%
(㎟)
内断面積の48%
(㎟)
E1970105
E25132199
E31211316
E39313469
E51578868
E639131370
E7513241386
表2.2.7 ねじなし電線管の内断面積の32%及び48%

2.2.3 隠蔽配管の敷設

  1. コンクリート埋設配管を行う場合は、次の事項に留意する
    1. スラブ厚の1/4を超える外径の配管((31)又は(E31)を超えるもの)は、埋込を避ける
    2. 盤類の仮枠寸法及び開口部補強の要否を確認する
    3. 盤、ボックス部分等、配管が集まる箇所及び多数の配管が敷設される箇所では、管相互に間隔(25mm以上)を保つ
    4. ダブル配筋の場合は、上端筋と下端筋の間に配管を行う。また、シングル配筋の場合は、壁(床)の中央に配管を行い、配管が型枠に密着しないようにする
    5. ボックスの取付及び配管を行う場合は、配筋に留意する。特に配管が交差するような箇所は、同一箇所で配管が3本以上交差しないような配管経路を事前に検討する
    6. コンクリート埋設部から二重天井内に移行する配管は、エンドカバーを設ける。デッキの場合は、直接貫通してもよい
    7. 配管は、カップリング付近、壁への立上り、引き下げ箇所等で鉄筋に結束し、コンクリート打設時の移動を防ぐ
    8. ボックスは、他か枠にスタッド等を用い堅固に取付ける。特に打放し仕上げの場合には、ボックスの修正が困難なため、十分留意する
    9. コンクリート埋設配管に用いるボックスは、トロブッシュ等を用いて、コンクリートがボックス内に侵入、流入しないように処理する
    10. 断熱材を施している最上階(屋上スラブ)及び外壁等は、埋設配管を避ける。なお、迂回が困難で、断熱材を切り込み又は外す等の必要がある場合は、監督員と協議する
    11. 雨線外「(内線規程)では、屋外において、軒、ひさし等の先端から鉛直線に対し建築物の方向に45度の角度で下方に引いた線より外側の部分又はこれに類する場所をいう」及び水気のある場所でのボックスまわりの配管は、極力天井まわしとする。これにより難い場合は、側面上部のノックアウトの利用等を考慮する
    12. スラブから壁への立上り配管は養生を行い、取付高さの低い位置ボックス(コンセント等)への配管の修正が極力少なくなるように留意する
  2. 埋込型分電盤等の仮枠は、次による
    1. 仮枠は、必要以上に大きくしない
    2. 仮枠には、配管止めを設ける事が望ましい。また、仮枠下端と床との間隔が確保できない場合は、コンクリートが十分にまわらないことがあるので、仮枠下部に空気抜き孔を設ける等、留意する
    3. 仮枠部に分電盤等の外箱を取付ける場合のコンクリート厚さが少ないときは、裏面にラス張りしモルタルの付着をよくする。モルタルでまわりを埋め戻し、壁仕上がり工程まで7日以上の期間を確保する
    4. 外箱まわりの埋め戻しのモルタルは、セメント1:砂3で十分に練り混ぜるものとし、7手練としてもよい
  3. 軽量鉄骨壁に配管を行う場合は、次の事項に留意する
    1. 床配管は、隅田氏の制度が要求される。間仕切り位置が確定しないときには、極力天井配管とする
    2. 軽量鉄骨壁への配管及びボックスの固定は、取付金物及びタッピングビス等を用いて施工する。やむを得ず溶接でボックスを固定する場合は、溶接部にさび止め塗装を施す。なお、「標準仕様書」の管とボックス等との接続点及び管端に近い箇所とは、それぞれから300mm以内の箇所をいう。
    1. 軽量鉄骨壁への引き下げ配管は、吹き出し口等のためい曲がりが増えることがあるので、配管のひきまわしを検討する
    2. 軽量鉄骨壁に盤類を取付ける場合は、固定法及び納まりを検討する。手元開閉器、端子盤等の軽量のものを除く盤類は、独立の支持を検討する。また、埋込のものは、壁厚を確認するとともに、立上り配管施工のためのクリアランスを見込む
  4. 二重天井内に配管を行う場合は、次の事項に留意する
    1. 二重天井と梁との間のスペースを確認し、スペースが取れない場合は、あらかじめ梁にスリーブ等を入れておく
    2. 配管は、他工事で設けるダクト等に直接支持しない
    3. 他工事で設けるダクト、配管類との取り合いを行い、屈曲数が増えないようにする

2.2.4 露出配管の敷設

  1. 機械室及びパイプシャフト内の配管は、他工事との取り合いを特に必要とする。施工前に総合図を作成し、保守性を検討する
  2. 多数の配管が方向や高さを変える箇所には、プルボックスを設けるち施工が容易である。なお、配管が3段以上となる場合は、塗装、配管のボンディングについて十分に検討する
  3. 通路部分の床上配管は、避ける。また天井配管の場合は、支持金物を含む取付高さを原則として2.1mとし、歩行時の危険を防止する
  4. 壁面配管で人が容易に触れるおそれのある部分(2m以下)の配管は、サドル又は極端に突出のない支持金物を使用する
  5. 機械室等で床面からの立上り配管が浸水の恐れがある場所では、モルタル等で水切り又は根巻処理を施す
  6. 露出ボックスの使用しない穴はキャップ等を取付ける
  7. 屋外用プルボックスの取付箇所には、シール等で防水処置を施す
  8. 雨線外に施設する場合は、次の事項に留意する
    1. 付属品はねじ込み形又は防水型を使用し、必要に応じパッキン等を取付ける
    2. 管の下への曲がり部分にプルボックスを設ける等、U字配管は避ける
    3. ボックス等は、水抜きを考慮する
  9. 塗装を要する箇所で、配管施工後塗装が困難となる場合は、事前に塗装を行い、配管施工後に補修を行う
  10. 発熱部(蒸気配管)、振動する部分(空調ダクト、排煙ダクト)及びその吊りボルト等は、直接配管を支持しない

2.2.5 管の接続

  1. 管相互の接続は、カップリングの中央で管が接するように行う
  2. ねじなしカップリングを用いる場合は、十分な締め付けを行う
  3. 管相互が固定されていて管を回すことができない箇所は、ねじなしカップリングを使用するか又は送り接続とする
  4. 管とボックスは、直角に取付ける。配管の方向がボックスの角度と合わない場合は、管を屈曲させる。また、プルボックスとの接続部分における配管支持間隔は、プルボックス端から原則として500mm以下とする
  5. ねじなしコネクタを使用して管とボックスを接続するとき、管端口が滑らかになっていて電線を傷つけるおそれの無い物は、ブッシングを省略してもよい
  6. 金属製可とう電線管と異種電線管の接続は「表2.2.8」による
  7. ボンディング
    1. ボンド線は、電気用軟銅線及び軟銅より線による裸銅線とする。なお、ボンド線に絶縁電線(緑、緑/黄又は緑/黄帯)を使用する場合は、「標準仕様書」表2.13.2により太さを選定する
    2. 接地線の太さは、{内線規程}資料1-3-6「接地線の太さの算定基礎」に基づき算出されるが、「標準仕様書」2.2.5表2.2.1のボンド線の太さは、その回路の配線用遮断器等によって保護する故障電流(定格電流の20倍)と通電時間(0.1秒)が確保できる熱等及び機械的強度を有するものとして選定している
    3. 配線用遮断器等を設けずに幹線分岐を行った場合又は接地線を別に敷設した場合であっても、ボンド線は太さを減じることなく、その回路を保護する配線用遮断器等の定格電流によって選定しなければならない
    4. ボンド線の接続方法を、図2.2.6及び図2.2.7に示す
    5. ボンド線の接続箇所を、図2.2.8に示す
    6. 裏ボックスを使用する場合は、裏ボックスとボックス又は盤との間に「標準仕様書」に記載するボンディングを施す
図2.2.8ボンド線の接続箇所及び太さ
金属製可とう電線管
呼び
薄鋼電線管厚鋼電線管ねじなし電線管
17C19G16E19
24C25G22E25
30C31G28E31
38C39G36E39
50C51G42E51
63C63G54E63
76C75G70E75
83G82
101G92・G104
表2.2.8 金属製可とう電線管と異種電線管の接続

2.2.6 配管の養生及び清掃

  1. ねじ切りの部分は、露出させたまま放置すると発錆するため、配管完了後速やかに錆止め塗装を行う
  2. 型枠取外し後エンドカバー部の配管が発錆しえいる場合は、さび落とし後、さび止め塗装を行う
  3. 管の清掃は、型枠取外し後の導通確認のため速やかに行い、サイド通線前に行うことを原則とする
  4. 床からの立上り配管が水はけの悪い箇所にある場合は、防錆処理を施す。また、作業通路となる箇所にある場合は、配管の有無を容易に識別できるようにテープ巻きを行う

2.2.7 位置ボックス及びジョイントボック

  1. ボックスの大きさの選定方法は、ボックスに接続する金属管本数による方法及びボックスに収容する電線本数による方法がある。金属管本数による場合は、「標準仕様書」表2.2.2及び表2.2.3による。なお、ボックス内に収容する心線数が多い場合は、{「標準仕様書」2.10.2(イ)を適用することを検討する(5.5sq以下の接続本数11本以下は中型44ボックス、16本以下は大型44ボックス以上とする)}
  2. アウトレットボックスには、5本を超える管を接続しない。5本を超える場合は、プルボックスの使用を検討する
  3. 位置ボックス、ジョイントボックスの使用区分は、「標準仕様書」2.2.7及び表2.2.3に示すボックス以上のものと記載しているが、深さ90mmの八角コンクリートボックスを使用する場合は、スラブのコンクリート厚さが140mm以上必要である
  4. 一般のスラブ配管で「標準仕様書」に記載のコンクリートボックスを使用する場合は、ボックス付近で配管のS字加工が必要となるため、(E25)の配管の個所では深さ75のもの。(E31)の配管の箇所では深さ90のものの使用を検討する
  5. 埋込形コンセントを収める金属製又は合成樹脂製のックス内に電線及び弱電電流線を収納する場合は、弱電留線と直接接触しないように隔壁を取りつける
  6. 1個用スイッチボックスは、端末のスイッチに使用し、送り配線がある場合は使用しない
  7. 盤、プルボックス等の裏ボックスが、配線により収まらない場合は、監督職員と協議する
  8. ボックスカバーと壁仕上がり面が離れる場合は、ボックス継枠を使用して調整する
  9. コンクリート打設時にボックスが傾いた場合は、型枠取外し後速やかに修正する。なお、傾きが僅かな場合は、ボックスカバー及び取付枠で調整する
  10. 結露するおそれがある外壁にやむを得ずボックスを埋込む場合は、結露防止断熱カバーを取付ける。また、空気の流通を現象させるためのシリコン系コーキング材で電線と電線管端部の隙間を充てんする

2.2.8 プルボックス

  1. プルボックスは、他工事との取り合いに留意し、点検可能な場所に設ける。なお、天井内にプルボックスを設置する場合は、天井点検口等により点検が可能とする
  2. プルボックス内部の電線の損傷を防止するため、内部に突出する支持用ボルトや止めねじ等は、ねじ山を三つ山程度残し、損傷防止処理をおこなう
  3. 水気のある場所に設置するプルボックスは、水抜き穴を設ける

2.2.9 通線

  1. 通線は、管内の水分を十分に取り除いたあとに行う
  2. 通線は、原則として、壁塗装前に行い塗装工事の妨げとならないような処置をする。塗装工事が完了したとに通線する場合は、影等を汚さないように十分な養生を行う
  3. 電線を引き入れるとき、電線相互のよじれ及びキンクができないように注意する
  4. 垂直に施設する配管内の電線は、「標準仕様書」2.2.9表2.2.4の支持間隔で、プルボックスの電線支持物、ゴムストッパ等により支持する
  5. プルボックスの点検口を下面とする場合は、ふたが電線の荷重を受けないように電線支持物等を設ける。電線支持物は、金属管、平鋼等とし、地震等により、容易に脱落しないような処置を施す。なお、電線支持物の取付の要否は、電線サイズ、収納本数により異なるが、長辺600mmを超えるものから設ける

2.2.10 回路種別の表示

  1. 「標準仕様書」に記載されている表示札のとおり
    • 回路の種別
    • 行先
    • 回路番号

2.2.11 接地

  1. 金属管配線の接地は2.13.1~2.13.5等による
内線規程 まとめ

3110節 金属管配線

3110-1 電線

  1. 金属管配線には、絶縁電線を使用すること
  2. 前項の電線は、直径3.2mm(アルミ電線にあっては、4.0mm)を超えるものは、より線であること。ただし、長さ1m程度以下の金属管に収めるものはこの限りではない
  3. 金属管内では、接続点を設けないこと

3110-2 電磁的平衡

交流回路においては、1回路の電線全部を同一管内に収めること。ただし同極往復線を同一管内に収める場合のように電磁的平衡状態に施設するものは、この限りではない(勧告)

注)1回路の電線全部とは、単相2線式回路ではその2線を、単相3線式回路及び三相3線式回路ではおののその3線を、三相4線式回路ではその4線をいう

3110-3 電線の並列使用

交流回路において電線を平衡に使用する場合には、1335-9(電線の並列使用)によるほか、管内に電磁的不平衡を生じないように施設すること。

注)金属管配線で電線を並列に使用する場合を3110-1図にしめす

3110-1図 電線を並列に使用する場合の例図

3110-4 金属管及び付属品の選定

  1. 金属管及びボックスその他の付属品(管相互を接続するもの及び管端に接続するものに限る)は、次の各号に適合するものであること
    1. 電気用品安全法の適用を受ける金属製のもの又は黄銅若しくは銅で堅ろうに政策したものであること。ただし、絶縁ブッシングにあっては、この限りではない
    2. 管の厚さは次によること
      • コンクリートに埋込むものは、1.2mm以上
      • 上記以外のものであって、継手のない長さ4m以下ものを乾燥した場所に施設する場合は、0.5mm以上
      • その他のものは、1.0mm以上
    3. 端口及び内面は、電線の被覆を損傷しないような滑らかなものであること
  2. 前項の金属管は、直接地中に埋め込んで配管しないこと。ただし、技術上やむを得ない場合であって厚鋼電線管を使用し、かつ、これに防水防食措置としてジュート巻き、コンクリート巻きなどの防護措置を施す場合は、この限りではない(解釈159)

3110-5 管の太さの選定

  1. 同一太さの絶縁電線を同一管内に収める場合の金属管の太さは、次の各号によること(勧告)
    1. 管内に収める絶縁電線の本数が10本以下の場合は、3110-2表~3110-4表によること
    2. 管内に収める絶縁電線の本数が10本を超える場合は、3110-5表によること
  2. 管の屈曲が少なく、容易に電線を引き入れ及び引き替えることができる場合は、前項の規定にかかわらず、電線が同一太さで断面積8sq以下にあっては3110-6表、その他の場合にあっては3110-7表から3110-11表により電線の被覆絶縁物を含む断面積の総和が管の内断面積の48%以下とすることができる(勧告)
  3. 異なる太さの絶縁電線を同一管内に収める場合の金属管の太さは、3110-7表から3110-10表までにより電線の被覆絶縁物を含む断面積の総和が管の内断面積の32%以下となるように選定すること(勧告)
3110-2表 厚鋼電線管の太さの選定
3110-3表 薄鋼電線管の太さの選定
3110-4表 ねじなし電線管の太さの選定
3110-5表 最大電線本数(10本を超える電線を収める場合)
単線
(mm)
より線
( mm2
G16G22C19C25E19E25
1.6611511612
2.0594959
2.65.5473748
3.28352535
3110-6表 管の屈曲が少なく、容易に電線の引き入れ及び引き替えができる場合の最大電線本数
単線
(mm)
より線
( mm2
断面積
(mm2
1.68
2.010
2.65.520
3.2828
1445
2266
38104
60154
100227
150346
200415
250531
3110-7表 電線(被覆絶縁物を含む)の断面積
単線
(mm)
より線
( mm2
補正係数
1.62.0
2.02.0
2.65.51.2
3.281.2
14以上1.0
3110-8表 絶縁電線を金属管内に収めるときの補正係数
電線管の太さ
(管の呼び径)
内断面積32%
( mm2
内断面積48%
( mm2
G1667101
G22120180
G28201301
G36342513
G42460690
3110-9表 厚鋼電線管の内断面積の32%及び48%
電線管の太さ
(管の呼び径)
内断面積32%
( mm2
内断面積48%
( mm2
C1963
C25123
C31205
C39305
3110-10表 薄鋼電線管の内断面積の32%及び48%
電線管の太さ
(管の呼び径)
内断面積32%
( mm2
内断面積48%
( mm2
E1970105
E25132199
E31211316
E39313469
3110-11表 ねじなし電線管の内断面積の32%及び48%
電線管の太さ
(管の呼び径)
内断面積32%
( mm2
内断面積48%
( mm2
G547321098
G7012161825
G8217012552
G9222053308
G10428434265
3110-9表 厚鋼電線管の内断面積の32%及び48%
電線管の太さ
(管の呼び径 )
内断面積32%
( mm2
内断面積48%
( mm2
C51569853
C638891333
C7513091964
3110-10表 薄鋼電線管の内断面積の32%及び48%
電線管の太さ
(管の呼び径)
内断面積32%
( mm2
内断面積48%
( mm2
E51578868
E639131370
E7513241986
3110-11表 ねじなし電線管の内断面積の32%及び48%

3110-6 管及び付属品のさび止め

金属管及びその付属品は、さび又は腐食の生じるおそれがある部分(ねじ切り及びその他の原因によって金属管又は付属品に施されためっき、塗料が剥げた場合など)には、防錆塗料を施すなどして保護すること(解釈159)

3110-7 管及び付属品の連結及び支持

  1. 金属管相互及び金属管とボックスそのたこれに類するものの接続は、次の各号により、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること{注1)接地線から電続巻の最終端に至る間の電気抵抗は2Ω以下に保つことが望ましい。注2)コンクリート建築などで全配線を金属管配線により行う場合は、木製キャビネット、木台などは使用しないのがよい。注3)ボックス又はキャビネットの電気的接続は、ねじ込み接続の場合を除き、ボンディング又はねじなしコネクタによること。ただし、ボックス又はキャビネットなどの絶縁性塗装を完全に削り取ったのちロックナットを十分に締め付け電気的接続を完全にした場合は、ボンディングを省略する事ができる。注4)ボンド線の太さは、1350-3(A種、C種又はD種接地工事の施工方法)を参照の事}
    1. 金属管相互の接続は、カップリングにより行うこと。この場合は、ねじ込み突合せ及び締め付けは、十分に行うこと。注)ねじ接続の場合で、金属管が固定していて、これをまわして接続できない場合は、特殊のカップリング(ユニオンカップリング等)を使用するか、又は送りカップリング法により接続する必要がある
    2. 金属管とボックスとの他これに類するものとを接続する場合であって、ねじ込みによらないときは、ロックナット2個をしようしてボックス又はキャビネットのおの部分の両側を締め付けること。ただし、ブッシング絶縁ブッシングは金属を主体としたもの)などにより堅固に取り付けられる場合は、ロックナットを省略することができる。注)ボックス又はキャビネットのノックアウトの径が金属管の径より大きい場合は、ボックス及びキャビネットの内外両面にリングレジューサーを使用すること
    3. 不燃性の組立式建築物などで技術上やむを得ない場合であって、金属管及びプルボックスを乾燥した場所において、不燃性の造営材に堅ろうに施設し、かつ、金属管及びプルボックス相互を電気的に完全に接続する場合は、管とプルボックス相互の機械的接続を省くことができる
  2. 金属管、ボックスその他これに類するものは、適当な方法により造営材その他に確実に支持すること
  3. 金属管を施設する場合は堅固に支持すること。ただし、埋設する場合は、この限りではない。注1)金属管の支持は原則としてサドル又はハンガーなどを用いること。注2)支持点間隔は2m以下とすることが望ましい

3110-8 管の屈曲

  1. 金属管を曲げる場合は、金属管の断面が著しく変形しないように曲げ、その内側の半径は、管内径の6倍以上とすること。ただし、電線管の太さが25mm以下のもので建造物の構造上やむを得ない場合は、管の内断面積が著しく変形せず、管にひび割れが生じない程度まで小さくすることができる
  2. アウトレットボックス間又はその他の電線引き入れ口を備える器具の間の金属管には、3箇所を超える直角又はこれに近い屈曲箇所を設けないこと。注)屈曲箇所が多い場合又は管の亘長が30mを超える場合は、プルボックスを設置するのがよい
  3. ユニバーサルエルボ、ティ、クロスなどは、造営材で隠蔽しないこと。ただし、その部分を点検できる場合は、この限りではない
  4. 前項のティ、クロスなどは、ふた付きのものであること

3110-9 アウトレットボックス類

  1. 照明器具、コンセント、点滅器などの取付位置には、アウトレットボックス、コンクリートボックス、スイッチボックスなどを使用すること。ただし、露出した引下げ配線の末端又はこれに類する場合は、木台などを使用することができる
  2. ボックスは、十分な容積があるものをせんていすること
  3. ボックスには、照明器具などで覆われる場合をのぞき、カバーを取付けること。注)コンクリート天井に埋め込む場合は、コンクリートボックスを使用するのが良い
  4. ボックスの打ち抜いた不要の穴は、適当な方法によりふさぐこと

3110-10 プルボックス及びジョイントボックス

  1. プルボックス及びジョイントボックスの取付は、次の各号によること
    1. ボックスは、造営材で隠蔽しないこと。ただし当該ボックスの内部が点検できる場合は、この限りではない
    2. 電線の引き替え又は電線の接続を容易に行うことができるよう周囲に十分余裕のある場所であること
  2. プルボックス及びジョイントボックスは、ボックス内に湿気が侵入するおそれがないように施設すること

3110-11 管端における電線の保護

  1. 金属管の端口は、電線の被覆を損傷しないようになめらかなものであること(解釈159)注)金属管の端口とは、金属管本体の先端(加工後の切り口も含む)をいい、付属品が取付けれている場合の先端をいうのではない
  2. 金属管の端口には、電線の引き入れ又は引き替えなどの際に電線の被覆を損傷しないようにブッシングなどを使用すること(解釈159)
  3. 金属管配線からがいし引き配線に移る箇所には、絶縁ブッシング、ターミナルキャップ又はエンドなどを使用すること(解釈159)

3110-12 湿気及びじんあいの防止

  1. 金属管配線に使用する金属管には、配管後電線引き入れに至るまでに管内に湿気、じんあいなどが侵入しないよう適当な予防措置を施し、かつ、電線引き入れの直前に適当な方法により掃除すること

3110-13 電線の引き入れ

  1. 電線の引き入れに際して使用するすべり剤は、電線の被覆絶縁物に有害な物質を使用しないこと。注)電線に有害な物質は、資料3-1-1を参照のこと

3110-14 垂直配管内の電線

  1. 垂直に配管した金属管内の電線は、3110-12表の間隔以下ごとにこれを適当な方法により支持すること
電線の太さ【㎟】支持間隔【m】
38以下30以下
100以下25以下
150以下20以下
250以下15以下
250超過12以下
3110-12表 垂直管路内の電線支持間隔

3110-15 雨線外の配管

  1. 内部に水が浸入し難いようにすること
    • 注1)ボックスその他の付属品は、ねじ込み形のものか、又は施設場所に応じ、雨水などの侵入を防止する構造の物を使用し、かつ必要に応じてパッキンなどを取付ること
    • 注2)1100-1(用語)102(防湿型)、103(防雨型)、104(防まつ形)、105(防侵形)により選定する必要がある
    • 注3)管相互の接続部は、ねじ切りのカップリングを使用する場合は、油性などの耐水防食シール材をすきまなく充填して接続すること
  2. 内部に水が溜まらないように施設し、かつ、必要に応じて水抜きの手段を講じること
    • 注1)水が抜ける道のないU字型配管は、その最低部に水が溜まるおそれがあるため、なるべく避けること
    • 注2)水抜き口を設ける場合は、配管中の他のいかなる部分よりも低くし、かつ、水抜きに適した位置とすること
    • 注3)水抜きには種々の方法があるが、垂直配管の最下端においては蓋つきエルボなどを、水平配管の途中又は終端においてはアウトレットボックスなどを使用しこれらのふたに適当な隙間を設けて、その箇所から排水させるのは、その一例である
  3. 雨線外における垂直配管の末端には、エントランスキャップを使用すること
  4. 雨線外における水平配管の待ったには、ターミナルキャップ又はエントランスキャップを使用すること

3110-16 接地

  1. 使用電圧が300V以下の場合の金属管及びその付属品などは、D種接地工事を施すこと。ただし次の各号のいずれかに該当する場合は、D種接地工事を省くことができる(解釈159)
    1. 金属管配線の対地電圧が150V以下の場合において、次のいずれかの場所に長さ(2本以上の金属管を接続して使用する場合は、その全長をいう。以下この条において同じ)8m以下の金属管を施設する場合
      • 乾燥した場所
      • 簡易接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す管と電気的に接続するおそれがあるもので防護をする方法を除く)を施すとき
    2. 金属管配線の対地電圧が150Vを超える場合において、長さ4m以下の金属管を乾燥した場所に施設する場合
  2. 使用電圧が300Vを超える場合の金属管及びその付属品などは、C種接地工事を施すこと。ただし、接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す管と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く)を施す場合は、D種接地工事によることができる(解釈159)
  3. 3102-7(配線と他の配線又は弱電流電線、光ファイバーケーブル、金属製水管、ガス管などとの隔離)により、強電流回路の電線と弱電流回路の弱電流電線とを同一のボックス内に収める場合は、隔壁を施設し、C種接地工事を施すか又は金属製の電気的遮へい層をゆうする通信ケーブルを使用し、当該遮へい層にC種接地工事を施すこと(解釈167)
  4. 金属管と接地線との接続は、接地クランプを使用するか、又はその他の適当な方法によること。注1)接地クランプにより接地線を接続する場合は、管に施したエナメルなどの絶縁性塗料を完全に削り取ること。ただし、機械的、電気的に完全に接続される構造のクランプを使用する場合は、この限りでない。注2)接地線を金属管に直接ろう付けする場合又は火薬などで溶接する場合は、金属管に電線を引き入れる前に行い、この箇所にはさび止め塗料を塗ること
  5. 金属管又はその付属品と接地線との接続は、隠ぺい場所において行わないこと。ただし、その部分を容易に点検できるようにしせつした場合は、この限りでない。注1)床板又は敷物をはがさなければ、点検不可能のような場所に施設したものは、たとえこれらが釘付けなどで固定されていない場合でも、容易に点検できるものとはみなさない。注2)コンクリート建築における金属管配線のように全配線を金属管配線により施設した場合は、金属管と接地線との接続は引込開閉器に近いところで行うのが望ましい

3110-17 建物に対する注意

  1. 金属管配線を行う場合は、建物の強度を現象させないように施工上注意すること。注1)造営材に過大な穴、溝などを設けないこと。注2)むやみに太い金属管をしようしないこと。注3)コンクリートスラブ内に埋め込む場合の金属管の外径は、スラブ厚さの1/3以内とするのが望ましい

電気設備技術基準・解釈 まとめ

解釈159 「金属管工事」

  1. 金属管工事による低圧屋内配線の電線は、次の各号によること
    1. 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)であること
    2. より線又は直径3.2mm(アルミ線にあっては、4mm)以下の単線であること。ただし、短小な金属管に収めるものは、この限りでない。
    3. 金属管内では、電線に接続点を設けない事
  2. 金属管工事に使用する金属管及びボックスその他の付属品(管相互を接続するもの及び管端に接続するものに限り、レジューサーを除く)は、次の各号に適合するものであること。
    1. 電気用品安全法の適用を受ける金属製の電線管(可とう電線管を除く)及びボックスその他の付属品又は黄銅若しくは銅で堅ろうに制作したものであること、ただし、第4項に規定するもの及び絶縁ブッシングにあってはこの限りでない
    2. 管の厚さは、次によること
      • コンクリートに埋め込むものは、1.2mm以上
      • 前項に規定する以外のものであって、継手のない長さ4m以下の物を乾燥した展開した場所に施設する場合は、0.5mm以上
      • 上記以外のものは、
    3. 端口及び内面は、電線の被覆を損傷しないような滑らかなものであること
  3. 金属管工事に使用する金属管及びボックスその他の付属品は、次の各号により施設すること
    1. 管相互及び管とボックスその他の付属品とは、ねじ接続その他これと同等以上の効力のある方法により、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること
    2. 管の端口には、電線の被覆を損傷しないように適当な構造のブッシングを使用すること。ただし金属管工事からがいし引き工事に移る場合においては、その部部の間の端口には、絶縁ブッシングその他これに類するものを使用すること
    3. 湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は、防湿装置を施すこと
    4. 低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、管には、D種接地工事を施すこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
      • 管の長さ(2本以上の間を接続して使用する場合は、その全長、以下この条において同じ)が4m以下のものを乾燥した場所に施設する場合
      • 屋内配線の使用電圧が直流300V又は交流対地電圧150V以下の場合において、その電線を収める管の長さが8m以下物もに簡易接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す管と電気的に接続するおれそがあるもので防護する方法を除く)を施すとき又は乾燥した場所に施設するとき
    5. 低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、管にはC種接地工事を施すこと。ただし、接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す管と電気的に接続するおれそがあるもので防護する方法を除く)を施す場合は、D種接地工事によることができる
    6. 金属管を金属製のプルボックスに接続して使用する場合は、第一号の規定に準じて施設すること。ただし技術上やむ得ない場合において、管及びプルボックスを乾燥した場所において不燃性の造営材に堅ろうに施設し、かつ、管及びプルボックス相互を電気的に完全に接続するときは、この限りでない
  4. 金属管工事に使用する金属管の防爆型付属品は、次の各号に適合するものであること
    • 第一号(粉じん防爆型フレキシブルフィッチング)
    • 第二号(耐圧防爆型フレキシブルフィッチング)
    • 第三号(安全増防爆型フレキシブルフィッチング)
    • 第四号(第一号~第三号以外のもの)

解釈167 「低圧配線と弱電流電線等又は管との接近又は交差」

  1. がいし引き工事により施設する低圧配線が、弱電流電線又は水管、ガス管、若しくはこれらに類するもの(以下この条において「水管等」という)と接近又は交差する場合は、次の各号のいずれかによること
    1. 低圧配線と弱電流電線等又は水管等との隔離距離は、10cm(電線が裸線である場合は、30cm)以上とすること
    2. 低圧配線の使用電圧が300V以下の場合において、低圧配線と弱電流電線等又は水管等との間に絶縁性の隔壁を堅ろうに取付けること
    3. 低圧配線の使用電圧が300V以下の場合において、低圧配線を十分な長さの難燃性及び耐水性のある堅ろうな絶縁管に収めて施設すること
  2. 合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、ケーブル工事、フロアダクト工事、セルラダクト工事、ライティングダクト工事又は平形保護層工事により施設する低圧配線が、弱電流電線又は水管等と接近し又は交差する場合は、事項ただし、書の規程による場合を除き、低圧配線が弱電流電線又は水管等と接触しないように施設すること
  3. 合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、フロアダクト工事又はセルラダクト工事により施設する低圧配線の電線と弱電流電線とは、同一の管、線ぴ若しくはダクト若しくはこれらのボックスその他の付属品又はプルボックスの中に施設しないこと。ただし、低圧配線をバスダクト工事以外の工事により施設する場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない
    1. 低圧配線の電流と弱電流電線とを、次に適合するダクト、ボックス又はプルボックスの中に施設する場合、この場合において、低圧配線を合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事又は金属線ぴ工事により施設するときは、電線と弱電流電線とは、別個の管又は線ぴに収めて施設すること
      • 低圧配線と弱電流電線との間に堅ろうな隔壁を設けること
      • 金属製部分にC種接地工事を施すこと
    2. 弱電流電線が、次のいずれかに該当するものである場合
      • リモコンスイッチ、保護リレーその他これに類するものの制御用の弱電流電線であって、絶縁電線と同等以上の絶縁効力があり、かつ、低圧配線との識別が容易にできるもの
      • C種接地工事を施した金属製の電気的遮へい層を有する通信ケーブル

さいごに

施工
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