現場代理人のための「電線・ケーブルの使用できる環境は?」

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総まとめ「電線・ケーブルの使用環境」

使用環境とは

電気設備を施設する場所は、多岐にわたります。

一般的な店舗や事務所とは違い、食品工場や薬品工場などがあります。

使用する環境に合わせた電線を選択しないと、油や薬品等が電線に付着した場合に、損傷や腐食をおこし事故につながります。

電線の適正な使用場所・使用環境を知ることで、不意の事故や災害を未然に防ぎましょう!

ゴム・プラスチックの耐薬品性

○○:ほとんど変化なし

〇 :わずかに影響される

△ :ある程度おかれるので特別な場合を除き使用できない

× :かなりおかされるので使用不可

××:甚だしくおかされるので使用不可

薬品・油・溶剤など塩化ビニルポリエチレン
架橋ポリエチレン
天然ゴムクロロプレンエチレンプロ
ピレンゴム
発煙硝酸
濃硝酸
10%硝酸
濃硫酸
10%硫酸
濃塩酸
10%塩酸
リン酸
濃酢酸
3%酢酸
××
×

×
〇〇

〇〇
○○

×
××


〇〇
○○
〇〇
○○

○○
××
××
××
××
○○
××

×

××
××
××
××
○○
××

○○



×
×





濃アンモニア水
10%アンモニア水
40%苛性ソーダ
10%苛性ソーダ
塩素ガス
臭素
稀オゾン(0.03%以下)
ベンゼン
ヘキサン
ナフサ


×

××
××
○○


〇〇
○○
〇〇
○○
××
××
○○



×

×
××
××
××
×
×
×




××
××

×

×




××

○○
×

××
ガソリン
クロロホルム
四塩化炭素
二硫化炭素
アセトン
エチレングリコール
グリセリン
エチルアルコール
フルフラール
クレゾール


〇〇


〇〇
〇〇






〇〇
○○
〇〇
○○
〇〇
〇〇
×
××
××
××
〇〇
○○
〇〇
○○
〇〇

××
××
××
〇〇
○○
〇〇
○○
〇〇
××
××
××
××
〇〇
○○
〇〇

○○
クレオソート油
アニリン
ASTM No,1油
ASTM No,3油
IRM 902油
変圧器油
シリコン油
植物油
DOP
石油エーテル
フレオン12
重油
トリクレン
××
〇〇
○○
〇〇
○○
〇〇
〇〇
○○

××
○○
○○



××
○○
×
〇〇
○○
〇〇
〇〇
○○

××


××

××
○○


×
××
×
××
××





〇〇
〇〇
×

×
××
×
×


××

××
○○



××
××
××

ガスによる劣化

電:絶縁抵抗

機:機械的性能

○○:ほとんど影響されない

〇 :わずかに影響される

△ :性能が低下する

× :著しく低下する

材料名特性の別塩素ガス亜硫酸ガス二硫酸炭素ガスアンモニアガス
ビニル
×
×

〇〇


〇〇
ポリエチレン
架橋ポリエチレン

×
×
〇〇
〇〇
〇〇
○○
天然ゴム
×
×
×
×
〇〇
×
クロロプレン×

腐食性ガス又は液体に対する各種ケーブルの適否

R:天然ゴム

N:クロロプレン

P:EPゴム

V:ビニル

E:ポリエチレン

C:架橋ポリエチレン

/F:難燃性

前の記号が絶縁体を表し、あとの記号が外装材料を示す

(例 RN…天然ゴム絶縁クロロプレンシースケーブル)

〇は適、×は不適、△は条件に左右されるもの、ーはデータのないものを示す

腐食性ガス又は溶液種類 RN 
 PN 
 VV  EV 
 CV 
 CE/F 
10%硝酸
10%硫酸
10%塩酸
10%苛性ソーダ
絶縁油
OFケーブル油
クエロソート油
×

×

×
×
×






×






×






重油
二硫化炭素
メチルアルコール
エチルアルコール
ASTM No,1油
ASTM No,3油
IRM 902油
ベンゼン
キシレン
×
×
×


×

×
×

×






















ガソリン
アセトン
エチレングリコール
塩素ガス
亜硫酸ガス
二硫化炭素ガス
アンモニアガス
硫化水素ガス
×


×
×

×
×

×

×




×

×






×



VVケーブルなどへ接触に対する断熱材の適否

断熱材の種類適否対策
発泡ポリウレタン×電線の温度が高温(60℃以上)となった場合、絶縁性能が劣化する
おれがあるため、断熱材と直接接触させないようにする。
(備考2)
断熱防湿紙付きグラスウール
(アスファルト系塗料コーティング)
×断熱材と電線は直接接触させないようにする。
(備考3)
ポリスチレンフォーム×断熱材と電線は直接接触させないようにする。
(備考3)
グラスウール              ー
ロックウール              ー

(備考1)〇:適、×:不適

(備考2)電線が断熱材に覆われる状態で使用される場合、電線の温度が高温(60℃以上)となり、化学的劣化が生じるおそれがあることから注意を要する。

(備考3)上表2及び3の断熱材に対してケーブル特性の低下を防止するには、セパレータ(ポリエチレンテープやPETテープなど)を設けるなど、直接接触を避ける必要がある。 

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