現場代理人のための「接地工事」の施工方法

施工
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総まとめ「接地工事」の施工方法

接地工事とは

主に機器との事故や故障時に人体を感電から守る事を目的に施設されているものです。

漏電などの場合は、人体より電気抵抗の低い接地線を通じて大地に電気が流れていく事で感電をしない様になっています。

他には建物を雷から守る為の避雷設備、ノイズ等から機器を守る為のアースや事故などを検知する為に設けられている物もあります。

接地の目的
接地種別目的
系統接地高電圧と低圧の混触による2次側電路の災害防止
機器接地電気機器の絶縁不良による感電防止
雷害防止用接地雷による機器の損傷等を防止するため
静電気障害防止用静電気防止や静電気火花の引火防止のため
地絡電流検出用接地漏電リレーや漏電遮断器が確実に動作するため
電源変圧器2次側に施す接地
等電位化用接地病院等において施されるのが典型的
あらゆる金属部に危険な電圧が発生しないように相互に結合する
雑音対策用エレクトロにクス装置の接地
機能用接地電算機等の精密機器が正常に動作するための電位の安定な基準点を提供
共立電気計器(株)ホームページ 参考

接地の種類と「その接地抵抗値」

接地工事にはA種(1種)・B種(2種)・C種(特3種)・D種(3種)の4種類があります。

また、接地工事種別に応じた接地抵抗値も定められています。

接地工事の種類    
A種接地工事10Ω以下
B種接地工事変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線短絡電流のアンペア数で150(変圧器の高圧側の電路又は使用電圧が35,000V以下の特別高圧側の電路と低圧側の電路との混触により低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に1秒を超え2秒以内に自動的に高圧電路又は使用電圧が35,000V以下の特別高圧電路を遮断する装置を設ける時は300、1秒以内に遮断する装置を設ける時は600)を除した値に等しいΩ数以下、ただし5Ω未満であることを要しない
C種接地工事10Ω以下(低圧電路において当該電路に電流動作形で定格感度電流100mA以下、動作時間0.5秒以下の漏電遮断器を施設するときは500Ω以下
D種接地工事 100Ω以下(低圧電路において当該電路に電流動作形で定格感度電流100mA以下、動作時間0.5秒以下の漏電遮断器を施設するときは500Ω以下
1350-1表 接地工事の種類とその接地抵抗値

※B種の1線短絡電流は管轄電力会社にて確認をしましょう。

接地の施工基準

接地極の埋設深さ

接地極の上端は地表面から0.75m以上の深さにて埋設する。

人が触れるおそれのある金属体より1m以上離して埋設する。また、雷保護設備・避雷器の接地極、裸銅線より地中部分から2m以上離す必要があります。

接地線の保護

接地線は地表面下0.75mから地上2.5mまでの部分を硬質ビニル管で保護するか、これと同等以上の絶縁及び機械的強度のあるもので覆う。(厚みは2mm未満、CD管を除く)

接地すべき機器より0.6m以下の間及び地中横走り配線は除く事ができる。

A種接地工事の接地線は人が触れるおそれのない場合は、又はC種、D種接地工事の接地線は金属管にて保護する事ができる。(避雷針、避雷器用を除く)

メタルラス張りなどの造営材に取り付ける場合は合成樹脂管に収める。金属管を使用する場合は金属管と造営材の間に木板等をはさんで固定し造営材より絶縁する。

建物を利用する

建物の鉄骨部分が3Ω以下の場合は、引込線の中性点にB種接地工事の接地極として利用もできます

また、建物の接地抵抗値が2Ω以下の場合で、非接地式高圧電路に施設する器具等に施すA種、B種、C種、D種接地に使用する事が出来ます。

接地線の太さ

接地線の太さは接地種別及び負荷容量等で基準があります。(sq=mm2

以下を参考にして下さい。

A種接地工事

接地母線及び避雷器が14sq以上、その他の場合は5.5sq以上

B種接地工事

以下の表(金属製混触防止板は2.6mm以上)

※表の容量は変圧器1相分の容量を表す。

※「変圧器1相分の容量」とは次の値をいう。(単相3線式は200V級を適用する)

  • 三相変圧器の場合は定格容量の1/3
  • 単層変圧器同容量の△結線、Y結線の場合は、単相変圧器の1台分の定格容量
  • 単相変圧器同容量のV結線の場合は、単相変圧器1台分んお定格容量、異容量のV結線の場合は、大きい容量の単相変圧器の定格容量
  • 変圧器容量による接地線の太さが低圧側を保護する配線用遮断器等に基づいて選定される接地線の太さより細い場合は配線用遮断器等に基づいて選定した太さと同等にする
接地線の太さ100V級200V級400V級
5.5sq以上5kVA以下10kVA以下20kVA以下
8sq以上10kVA以下20kVA以下40kVA以下
14sq以上20kVA以下40kVA以下75kVA以下
22sq以上40kVA以下75kVA以下150kVA以下
38sq以上60kVA以下125kVA以下250kVA以下
60sq以上100kVA以下200kVA以下500kVA以下
100sq以上175kVA以下350kVA以下700kVA以下
150sq以上250kVA以下500kVA以下1000kVA以下

C種・D種接地工事

配線用遮断器の容量×0.052≦接地線の面積(sq)で計算できます。

例 「ブレーカ100A×0.052=5.2」の為5.5sq以上の接地線の太さが必要です。

C種・D種に限り電気的に接続されている金属管等は接地線として使用する事ができます。

※最小太さは1.6mm以上必要

配線用遮断器等の定格容量接地線の太さ
接地線の太さ
アルミ
移動電線
多心ケーブルのうち1心
30A以下1.6mm以上
(2sq)
2.6mm以上2sq以上
60A以下2.0mm以上
(3.5sq)
3.5sq以上
100A以下2.6mm以上
(5.5sq)
3.2mm以上5.5sq以上
150A以下8sq以上14sq以上8sq以上
200A以下14sq以上22sq以上14sq以上
400A以下22sq以上38sq以上22sq以上
600A以下38sq以上60sq以上38sq以上
1000A以下60sq以上100sq以上60sq以上

D種接地工事を省略する条件

乾燥した場所で4m以下の金属管、金属線ぴ、ケーブル保護装置の金属製部分、ケーブルラック等の部分

乾燥した場所及び簡易接触防止措置を施した場所で長さ8m以下の金属管、金属線ぴ、ケーブル保護装置の金属製部分、ケーブルラック等の部分

簡易接触防止措置とは屋内では1.8m以上・屋外では2m以上の場所で人が容易に触れない場所か、さく・へい等を設ける措置の事を言う。

接地工事の兼用(共用)

古い建物ではたまに見かけますが、内線規程では「同じ個所に2種類以上の接地工事を施す場合は、接地抵抗の低い方の接地工事で他の接地工事を兼用することができる」となっています。

その場合の接地線の太さは接地を必要とする個々のものより選定した太さで一番太いサイズを使用します。

また、最近では主幹ブレーカーに漏電遮断器を使わずに分岐に漏電遮断器を採用する施設も多くなってきました。

その際に、漏電遮断器と過電流遮断器の負荷を共有の接地線及び接地極で施設してはいけません。(ただし、2Ω以下の低抵抗の接地極を使用する場合は問題ありません。)

接地工事に使用する材料は

接地極

一番よく使うのが接地棒です。接地棒の中にはリード付の単独式と連結式の2種類があります。

A種、B種、C種接地工事や接地抵抗値の出にくい場所では連結式を使うと良いでしょう。

連結式は銅被覆鋼棒を連結して打ち込み最後の頭の方にリード線を打ち込んで連結します。接地棒が入らなくなった場合は、途中で切断して被せ仕様のリード線を使用しましょう。

切断した接地棒を再利用したい時や先端の補強には先端ソケットもあります。

篠原電機(株) カタログより

銅板上の接地極もあります。主に避雷設備に使用します。

銅板は寝かす(横に)せずに縦に埋設しましょう。

朝日合金(株)ホームへージより

なかなか接地抵抗値が下がらない又は接地棒が入っていかない様な時は接地抵抗低減剤の利用をおすすめします。

(株)ホクデンのパワーメッシュと低減剤を兼用する事で大きな低減効果を発揮する事ができます。

低減剤が導電性のコンクリートの為、機械的にも永続して強度を保ち接地抵抗値も安定して低減してくれます。

注意としてメーカーではパワーメッシュ10mに対して低減剤5袋となっていますが、1~2袋多めに用意した方が施工しやすいと思います。

施工方法https://www.youtube.com/embed/MBa5mQTG_OI

接地線

基本的には緑色の電線を使用し、定められた太さの電線を選定します。(緑/黄などもOK)

ケーブルに緑線が無い場合は心線の端末に緑テープや端子キャップなどで識別しましょう。

また、水切端子を使用し、より線からの地下水などの侵入を防ぐ事ができます。

接地極標示板、埋設シート

接地極を埋設した箇所には接地極標示板を施設するといいでしょう。

メンテナンス時の目安にもなりますし、掘削工事をする時に既設接地極を損傷させる心配も減ります。

合わせて埋設シートも使うといいです。

接地抵抗測定

三極法

基本的な接地抵抗値の測定方法になります。

接地極より一直線に10m、20mとはなれた箇所に補助極をとり接地抵抗値を測定します。

補助極の接地抵抗値が大きいと測定に影響がでます。

できる限り湿気のある場所を選んだり水をかけたりします、また、コンクリートなど接地極を打込めない場所では補助接地極を寝かして濡れ雑巾などを補助接地極にかけて測定しましょう。

最近の製品では補助極の確認ランプでも確認する事ができます。

自分がいつも使用している測定器は複合型の測定器です。

業務で電気点検を行っていますので、絶縁抵抗測定125V~1000V対応で接地抵抗測定(3極・2極)を1台で行えるのでとても便利です。

共立電気計器 デジタル絶縁/接地抵抗計 KEW 6022

2極法(簡易測定)

補助極を打つ必要がなく、中性点と大地間で接地抵抗値の測定を行うことができます。

接地極周辺がコンクリートなどで舗装されている時に補助極を打つ必要がないのでの測定の施工省略が出来る事と建物内だけで測定できるので雨などの天候に左右されません。

簡易接地測定のみに特化した測定器もあります。

共立電気計器 (KYORITSU) デジタル簡易接地抵抗計 Bluetooth Smart搭載 KEW 4300BT

自分がとても便利だと感じているのが次の

電圧・NLEの逆接続・簡易接地抵抗測定が同時に行えるコンセントテスタタイプです。

(TT接地のみ対応、TN接地の場合は別売りKEW 8341が必要)

共立電気計器 (KYORITSU) コンセントN-Eテスタ KEW 4505

共立電気計器(株) ホームページより

あくまで簡易測定になります。

新築時などは3極法で測定して、メンテナンス時などは2極法(簡易測定)でもOKでしょう。

参考書籍まとめ

各参考書をまとめたものを下記に記述します。

また、同じような内容や製品(商品)自体に対する要求、又は曖昧な表現は割愛している項目もあります。

公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編) まとめ

第2編 電力設備工事 第1章 機材 第17節 接地端子箱

  1. 接地端子箱の端子ごとに接地の種類、接地側、機器側を表示するカードホルダー等を設ける
  2. 表示は次の事項を表示する銘板をドアの裏面に設ける
    • 名称
    • 接地の種類
    • 製造者又はその略号
    • 受注者名(別銘板とすることができる)
    • 製造年月又はその略号

標準図参考、接地銅板(電力58)接地棒(電力59)接地極埋設標(電力60)

第2編 電力設備工事 第2章 施工 第13節 接地

2.13.1 A種接地工事を施す電気工作物

  1. 高圧又は特別高圧の機器の鉄台及び金属製外箱。(以下省略可)
    • 人が触るおそれのがない様に木柱、コンクリート柱、その他絶縁性の物の上に施設する場合
    • 鉄台又は外箱の周囲に適切な絶縁台を設けた場合
  2. 高圧ケーブルを収める金属管、防護装置の金属製部分、ケーブルラック、ケーブルシース
  3. 高圧、特別高圧の母線を支持する金属製の部分
  4. 特別高圧電路と高圧電路とを結合する変圧器の高圧側に設ける放電装置
  5. 特別高圧計器用変成器の2次側電路
  6. 高圧又は特別高圧に設ける避雷器

2.13.2 B種接地工事を施す電気工作物

  1. 高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側中性点
  2. 特別高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側の中性点(10Ω以下)
  3. 高圧、特別高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の金属製混触防止板(2.6mm以上 解釈17条参照)

2.13.3 C種 接地工事を施す電気工作物

  1. 300Vを超える低圧機器の鉄台、金属製外箱(以下省略可)
    • 人が触るおそれのがない様に木柱、コンクリート柱、その他絶縁性の物の上に施設する場合
    • 鉄台又は外箱の周囲に適切な絶縁台を設けた場合
  2. 300Vを超える低圧配線の金属製の管、ダクト等
  3. 300Vを超える母線等を支持する金属製の部分
  4. 300Vを超える低圧ケーブル配線の金属管、ラック等の金属製保護装置、ケーブルの金属製被覆等
  5. 低圧配線と弱電流電線を堅ろうな隔壁を設けて納める場合の金属製の部分
  6. 300Vを超える低圧の合成樹脂配管配線に使用する金属ボックス、粉じん防爆型フレキシブルフィッチング
  7. ガス蒸気、粉じん危険場所の低圧機器の外箱、照明、キャビネット、金属管等の金属製の部分
  8. 300Vを超える計器用変圧器の鉄心部分。ただし絶縁物で被覆されたものはこの限りではない
  9. 300Vを超える低圧用SPD

2.13.4 D種接地工事を施す電気工作物

  1. 300V以下の低圧機器の鉄台、金属製外箱(以下省略可)
    • 人が触るおそれのがない様に木柱、コンクリート柱、その他絶縁性の物の上に施設する場合
    • 鉄台又は外箱の周囲に適切な絶縁台を設けた場合
  2. 外灯の金属製部分
  3. 300V以下の低圧配線の金属製の管、ダクト等
  4. 300V以下の低圧ケーブル配線の金属管、ラック等の金属製保護装置、ケーブルの金属製被覆等
  5. 300V以下の低圧の合成樹脂配管配線に使用する金属ボックス、粉じん防爆型フレキシブルフィッチング
  6. 300V以下の母線等を支持する金属製の部分
  7. 高圧地中電線路に接続する金属製外箱
  8. 地中配線を収める金属製の暗きょ、管(地上立上り部も含む)、金属製の電線接続箱、地中ケーブルの金属被覆等
  9. 低圧又は高圧架線配線に使用するちょう架用線又はケーブルの被覆に使用する金属体。ただし、低圧架空配線にケーブルを使用する場合において、ちょう架用線に絶縁電線又はこれと同等以上の絶縁効力のあるものを使用する場合は、ちょう架用線の接地を省略することができる
  10. 300V以下の計器用変圧器の鉄心部分。ただし絶縁物で被覆されたものはこの限りではない
  11. 300V以下の低圧用SPD
  12. 高圧計器用変成器の2次側電路

2.13.5 D種接地工事の省略

  1. 屋内配線で直流300V、対地電圧150V以下で乾燥した場所及び簡易接触防止措置を施す場所で次のいずれかの場合
    • 長さ8m以下の金属管、金属線ぴを施設するとき
    • 長さ8m以下のケーブル保護装置の金属製部分、ケーブルラック等
  2. 300V以下の低圧の合成樹脂配管配線に使用する金属ボックス、粉じん防爆型フレキシブルフィッチングで次のいずれか
    • 乾燥した場所に施設するとき
    • 屋内配線で直流300V以下、対地電圧150V以下で簡易接触防止措置を施すとき
  3. 300V以下のいずれかの場合
    • 4m以下の金属管を乾燥した場所に施設するとき
    • 4m以下の金属線ぴ(線ぴ内で接続点を設けるときを除く)
    • 4m以下のケーブル保護装置の金属製部分、ケーブルラックを施設するとき
  4. 直流300V、対地電圧150V以下の機器を乾燥した場所に施設するとき
  5. 対地電圧150V以下で長さ4m以下のライティングダクト
  6. 地中配線を収める金属製の暗きょ、管(地上立上り部も含む)、金属製の電線接続箱、地中ケーブルの金属被覆であって、防食措置を施した部分
  7. ハンドホール内のケーブル用金属製支持を施す場合

2.13.6 C種接地工事をD種接地工事にする条件(接触保護措置を施す場合)

  1. 金属管配線に使用する管
  2. 合成樹脂配管に使用する金属製ボックス、粉じん防爆フレキシブルフィッチング
  3. 金属ダクト配線に使用するダクト
  4. バスダクト配線に使用するダクト
  5. ケーブル配線に使用する管、その他保護装置の金属製部分、ケーブルラック、金属製接続箱、ケーブルの金属被覆

2.13.7 照明器具の接地

照明器具の金属製部分及びLED制御装置を別置とする場合の金属製外箱には、D種接地工事を施す。ただし、次の場合は、設置工事を省略することができる

  1. 器具が二重絶縁構造である場合
  2. 直流300V、対地電圧150V以下の器具を乾燥した場所に施設する場合
  3. 器具の外郭が合成樹脂等防水性のある絶縁物製のものである場合
  4. LED制御装置を別置とする場合においていずれか
    • 器具とLED制御装置の間の回路の対地電圧が150V以下で乾燥した場所に施設する場合
    • 乾燥した場所に施設する場合において、簡易接触防止措置を施、かつ器具及びLED制御装置が金属製の造営材と電気的に接続しないように施設する場合

2.13.8 電熱装置の接地

電熱装置の津日の部分に、使用電圧が300Vを超えるものにはC種、300V以下にはD種接地工事を施す。

  1. 発熱線等のシース、補強層に使用する金属体
  2. 発熱線等の支持物、保護装置の金属製部分
  3. 発熱線等の金属製外郭

2.13.9 接地線

接地線の色は、緑、緑/黄、緑/色帯のEM-IE電線等を使用する。ケーブルの一心を使用する場合は緑色とする。

上記接地線の太さ参照

2.13.10 A種又はB種接地工事の施工方法

  1. 接地極は湿気の多く腐食の恐れのない場所で地表面下0.75m以上に埋設する
  2. 接地線は地表面下0.75mから地上2.5mまでを硬質ビニル管にて保護する
  3. 接地線は接地すべき機器より0.6m以下、地中横走りを除き必要な管等に収める
  4. 接地線を人が触る恐れのある場所で金属体に沿って施設する場合は接地極を金属体より1m以上隔離して埋設する
  5. 雷保護設備の引き下げ銅線を施設してある支持物には接地線を施設してはいけない。引き込み中は除く

2.13.11 C種又はD種接地工事の施工方法

  1. 「2.13.10 A種又はB種接地工事の施工方法」と同じ
  2. 接地線の保護に金属管を用いる事が出来る
  3. 電気的に接続されている金属管等を接地線に代える事ができる

2.13.11 その他

  1. 構造体を接地極として利用する場合は構造体低盤部の接地抵抗値を50m×50mごとに1箇所測定する
  2. 接地抵抗率測定補助極を埋設する場合は特記による
  3. 接地線と被接地工作物、接地線相互の接続は、はんだ揚げ接続をしない
  4. 接地端子箱内の接地線には合成樹脂製等の表示札を設ける
    • 接地種別
    • 行先
  5. 高圧ケーブル、制御ケーブルの金属遮へい体は1箇所で設置する
  6. 計器用変成器の2次側回路は配電盤側接地とする

2.13.13 各接地と雷保護設備、避雷器の接地との隔離

  1. 接地極、裸銅線の地中部分は雷保護設備、避雷器の接地極、裸銅線の地中部分から2m以上離す

2.13.14 接地極位置等の表示

  1. 接地極の埋設位置近くに埋設標を設ける。ただし、引込柱、屋外灯、ハンドホールは省略する事ができる

電気設備工事管理指針 まとめ

第2編 電力設備工事 第1章 機材 第17節 接地

1.17.1 接地端子箱

  1. 接地端子箱は「標準図」(電力56)TB-B、TB-Cを参考にする
  2. 「標準図」(電力56)に示す銅板、銅片の断面積は接地線の導体断面積以上とする
  3. 「標準図」(電力56)のTB-Cは、取り外し取付が容易にできる銅片によって、接地抵抗測定を適切に行いかつ接地極共用にも対応できる構造とする
  4. 「標準図」(電力56)に示す低圧用SPDの接地は特記による。内容は以下
    • 低圧用SPDのクラス及び性能
    • 設置箇所(結線、個数を含む)

1.17.2 接地銅板 

  1. 「標準図」(電力55)に示す雷保護の板状接地極は「標準図」(電力58)の寸法の別にEP-0.6とEP-0.9があり、適用は特記による

1.17.3 接地棒

  1. 「標準図」(電力59)に示す接地棒は、単独打込と連結打込方式があり、適用は特記による
  2. 「標準図」(電力55)に示す雷保護の垂直接地棒には、連結打込みのリード端子が22sq以下は使用できない

1.17.4 接地極埋設標

  1. 「標準図」(電力60)備考(6)の接地極共用に示す該当種別を全て表示できない時は監督職員と協議する

第2編 電力設備工事 第2章 施工 第13節 接地

2.13.1 一般次項

  1. B種接地抵抗≦Va/Ig(通常、接地抵抗値は電気事業者で計算した値が採用される)
    • Vaの値
      • 600V:電路混触により低圧電路の対地電圧が150Vを超える場合、1秒以内に自動的に高圧電路又は使用電圧が35,000V以下の特別高圧電路が遮断される装置がある場合
      • 300V:電路混触により低圧電路の対地電圧が150Vを超える場合、1秒を超え2秒以内に自動的に高圧電路又は使用電圧35,000V以下の特別高圧電路が遮断される装置がある場合
      • 150V:その他の場合
    • Ig:一線短絡電流(電路の種類、亘長等により異なる)
  2. C種・D種接地工事で漏電遮断器を取付る場合は接地抵抗値500Ωまで緩和できるが、次式を適用する
    • 水気のある場所の接地抵抗値≦25V/漏電遮断器の動作感度電流[Ω]
    • その他の場所の接地抵抗値≦50V/漏電遮断器の動作感度電流[Ω]
    • 値が500Ωを超える場合は500Ωとする
  3. 接触電圧の許容値より接地抵抗値を算出するのが望ましい
    • 第1種 人体が水中にある状態「2.5V以下」
    • 第2種 人体が著しく濡れている状態、金属体に常時触れている状態「25V」
    • 第3種 1,2種以外で接触電圧が加わると危険な状態「50V」
    • 第4種 1,2種以外で接触電圧が加わっても危険のない状態「制限なし」

2.13.5 D種接地工事の省略

  1. 簡易接触防止措置とは次のいずれかに適合するように施設すること
    • 屋内では1.8m以上、屋外では2m以上の高さに、人が通る場所から容易に触れる事のない範囲に施設する
    • さく、へい等を設け又は設備を金属管に収める等の防護措置を施す
  2. 乾燥した場所」とは、湿気の多い場所、水気のある場所、雨露にさらされる場所以外を言う
    • 湿気の多い場所
      • 厨房等で水蒸気が充満する場所
      • 床下
      • その他上記に類する場所
    • 水気のある場所
      • 洗車場、洗い場又はこれらの付近の水滴が飛散する場所
      • 簡易な地下室のように常時水が露出し又は結露するような場所
      • プール、用水等及びそれらの周辺の場所
      • その他上記に類する場所

2.13.6 C種接地工事をD種接地工事にする条件

  1. 接触防護措置とは次のいずれかに適合するように施設すること
    • 屋内では2.3m以上、屋外では2.5m以上の高さに、人が手を伸ばしても触れる事の出来ない範囲
    • さく、へい等を設け又は設備を金属管に収める等の防護措置を施す

2.13.9 接地線

  1. 多芯ケーブルの一心を接地線とする時は緑色を使用する、心線に緑色が無い場合は接地線に使用する心線の端末に緑テープを巻き識別する

2.13.10 A種又はB種接地工事の施工方法(2.13.11 C種又はD種接地)

  1. 連結式接地棒の接地抵抗の減少の目安
    • 2本連結の場合 1本の抵抗値の55%
    • 3本連結の場合 1本の抵抗値の40%
    • 4本連結の場合 1本の抵抗値の30%
  2. 接地極を接近させて埋設する場合は2m以上、連結させた場合は埋設深さの3倍程度とするのが望ましい
  3. 低減剤は監督職員と協議し経年変化が少い、接地極を腐食させない、公害性のない物を選定する
  4. 水の侵入を防ぐ為に水切端子を有効に設置する。鉄筋等に接触させない
  5. 環状接地、網状接地を敷設する場合は埋設シート及び埋設標を設ける
  6. 埋設シート又は埋設標の可否、位置は特記による

2.13.12 その他

  1. 「標仕」では構造体を接地極として利用する場合について50m×50mごとに大地低効率を測定する様に記載されている。測定の際は次の事項に留意する
    • 大地比抵抗測定器を用いる方法による
    • 地表面を掘削せずに各地層の大地低効率を測定する
    • 測定用電極(4極)を一定間隔にて打込み、電位差より算出する
  2. 竣工後管理用の測定用接地棒と接地線の敷設は特記による

2.13.13 各接地と雷保護設備、避雷器の接地との隔離

  1. 接地極及び接地線は雷保護設備の接地極と接地線より2m隔離する。建物の鉄骨、鉄筋をそれぞれの接地極及び接地線として使用した場合を除く

2.13.14 接地極位置等の表示

  1. 接地極埋設標には接地抵抗値を表記する
  2. 埋設標の種別については監督職員との協議による
内線規程 まとめ

第1編 第3章 保安原則 1350節 接地

接地工事の種類はA種・B種・C種・D種の4種類とし各接地における抵抗値は1350-1表の値を保つこと、ただし次の事項はこの適用は受けない「解釈17」

  1. 低圧電路と150V以下の低圧電路(制御回路等に限る)を結合する変圧器の二次側電路の接地
  2. 試験用変圧器など大地から絶縁しないで電気を使用する事がやむ得ないものの接地
  3. 需要場所の引込口の接地(1350-9参照)
  4. 保護装置の動作の確保、異常電圧の抑制及び対地電圧の低下を図るために必要な中性点の接地
  5. 低圧電路に施設する保護装置の動作に必要な接地
  6. 避雷器の接地にかかわる特例中の中間接地(2105-7参照)
  7. 各種接地工事の接地抵抗値は以下参照
接地工事の種類    
A種接地工事10Ω以下
B種接地工事変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線短絡電流のアンペア数で150(変圧器の高圧側の電路又は使用電圧が35,000V以下の特別高圧側の電路と低圧側の電路との混触により低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に1秒を超え2秒以内に自動的に高圧電路又は使用電圧が35,000V以下の特別高圧電路を遮断する装置を設ける時は300、1秒以内に遮断する装置を設ける時は600)を除した値に等しいΩ数以下、ただし5Ω未満であることを要しない
C種接地工事10Ω以下(低圧電路において当該電路に電流動作形で定格感度電流100mA以下、動作時間0.5秒以下の漏電遮断器を施設するときは500Ω以下
D種接地工事 100Ω以下(低圧電路において当該電路に電流動作形で定格感度電流100mA以下、動作時間0.5秒以下の漏電遮断器を施設するときは500Ω以下
1350-1表 接地工事の種類とその接地抵抗値

1350-2 機械器具の金属製外箱などの接地

  1. 機械器具の金属製の台及び外箱には使用電圧に応じた接地工事を施す。ただし外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがない、さくなどを設けて施設する、絶縁台を設けて施設する場合はこの限りではない「解釈29」
  2. 機械器具が小出力発電設備である燃料電池発電設備である場合を除き、次の各号のいずれかの場合は前項の規定によらない
    1. 交流の対地電圧150V以下、直流300V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合
    2. 低圧用の機械器具を乾燥した絶縁性の物の上で取扱うように施設する場合
    3. 電気用品安全法の適用を受けた二重絶縁構造の機械器具を施設する場合
    4. 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(二次側電圧300V以下、定格容量3kVA以下に限る)を施設しかつ、当該電路を接地しない場合
    5. 水気のある場所以外の低圧用の機械器具の電路に漏電遮断器(定格感度電流15mA以下、0.1秒以下の電流動作形に限る)を施設する場合
    6. 金属製外箱等の周囲に作業員用の絶縁台を設ける場合
    7. 外箱の無い計器用変成器がゴム、合成樹脂、その他の絶縁物で被覆されてる場合
    8. 低圧、高圧用の機械器具を絶縁性の架台の上であって、人の触れる恐れのない高さに施設する場合
  3. 高圧ケーブルに接続される機械器具の金属製外箱等の接地は「日本電気技術規格委員会規格JESC E2019(2015)高圧ケーブルの遮へい層による高圧用の機械器具の金属製外箱等の連接接地の(2.技術的規程)」により施設する事ができる。(以下参考)
    • 高圧用の機械器具の金属製外箱等ごとの接地線と高圧ケーブルの遮へい層を接続し、高圧ケーブルの遮へい層に施される他の接地工事と連接接地を構成すること
    • 連接接地の合成抵抗値(高圧ケーブル遮へい層も含む)はA種の接地抵抗値以下とする

1350-3 A種、C種又はD種接地工事の施設方法

  1. A種、C種、D種接地工事の接地線は次の各号により施設すること。ただし3810-5(高圧接触電線)に定める場合を除く「解釈17」
    1. 接地線が外傷を受けるおそれがある場合は、合成樹脂管(厚さ2mm以下、CD管除く)に収める。ただし人が触れるおそれのない場合、又はC種・D種接地工事の接地線は金属管を使用してもよい。(避雷設備用は除く)
    2. 接地線は、接地すべき機械器具から60cm以内及び地中部分を除き合成樹脂管(2mm以下、CD管除く)などに収め外傷を防止する。ただし、メタルラス張りなどの造営材以外で外傷を受けるおそれのない場所では、造営材に密着して取り付ける事ができる。固定、支持方法は3165-2(ケーブルの支持)に準ずる。
    3. 接地線をメタルラス張りなどの造営材に沿い施設する場合は、3102-8(メタルラス張りなどとの絶縁)に準ずる。
    4. 接地線を機械器具にナットで取付る場合は厚い座金を用いるのが良い。軟銅線の2.6mmを超える場合はターミナルラグ又は端子金物を取付るのがよい。アルミ線の場合は、3102-6(電線と器具端子との接続)に準ずる。
  2. A種、C種、D種接地工事の接地線の太さは次の各号により施設すること
    1. 地中及び接地極より地表60cm以下、湿ったコンクリート、石材、レンガの類に接する部分又は腐食性ガス若しくは溶液の発散する場所を除く所では接地線にアルミを使用する事ができる。(太さは1350-1表)
    2. 銅線の太さは(C種、D種は1350-3表)、(A種は1350-4表)を参照する。金属体を経て接地工事を施す場合のボンド線を含み機器~接地極までの全線に適用する。ただし、次のものはのぞく
      • C種、D種接地工事の接地極その接地工事専用で施設し、B種接地工事と金属体等で連絡しない場合は、1350-3表のうち銅線14sq、アルミ線22sqを超える部分については、銅線14sq、アルミ線22sqを使用する事ができる
      • 移動して使用する低圧の機械器具に付属する多心コードのうち1心を用いる場合
    3. 造営材その他に固定する接地線はIV線又は同等以上の電線が望ましい
配線用遮断器等の定格容量接地線の太さ
接地線の太さ
アルミ
移動電線
多心ケーブルのうち1心
20A以下1.6mm以上
(2sq)
2.6mm以上1.25sq以上
30A以下1.6mm以上
(2sq)
2sq以上
60A以下2.0mm以上
(3.5sq)
3.5sq以上
100A以下2.6mm以上
(5.5sq)
3.2mm以上5.5sq以上
150A以下8sq以上14sq以上8sq以上
200A以下14sq以上22sq以上14sq以上
400A以下22sq以上38sq以上22sq以上
600A以下38sq以上60sq以上38sq以上
1000A以下60sq以上100sq以上60sq以上
1350-3表 C種又はD種接地工事の接地線の太さ
A種接地工事の接地線部分接地線の種類接地線の太さ
銅線
接地線の太さ
アルミ線
固定して使用する機械器具に接地工事を施す場合又は接地線に可とう性を必要としない場合2.6mm以上
(5.5sq)
3.2mm以上
移動して使用する機械器具に接地工事を施す場合又は接地線に可とう性を必要とする部分三種クロロプレンキャプタイヤケーブル、三種クロロスルホン化ポリエチレンキャプタイヤケーブル、四種クロロプレンキャプタイヤケーブル、四種クロロスルホン化ポリエチレンキャプタイヤケーブル若しくは高圧用のキャプタイヤケーブルの1心又は多芯キャプタイヤケーブルの遮へい金属体若しくは接地用金属線
8sq以上
1350-4表 A種接地工事の接地線の太さ

1350-4 C種、D種接地工事の特例

  1. 以下の場合は接地工事を施したとみなす(1350-1表で漏電遮断器を施設する場合は本条においても準用できる)
    • C種接地工事を施す金属体と大地が10Ω以下で確実に接続されている場合
    • D種接地工事を施す金属体と大地が100Ω以下で確実に接続されている場合

1350-5 B種接地工事の施設方法

  1. 高圧又は特別高圧と低圧電路を結合する変圧器の低圧側中性点に施す。300V以下の場合において中性点に施設し難い場合は低圧側の任意の一端に施設する事ができる(解釈24)
  2. 前項の接地工事は、2105-5(高圧屋外配電変圧器の低圧側の接地)に定める場合を除き、変圧器の施設箇所ごとに施設すること(解釈24)
  3. B種接地工事の接地線は、3810-5(高圧接触電線)に定める場合を除き、IV電線又はこれと同等違法の絶縁効力のある銅電線を用いること。ただし、地表60cm以下、湿ったコンクリート、石材、レンガの類に接する部分又は腐食性ガス若しくは溶液の発散する場所に用いる場合を除きアルミ電線を用いる事ができる

1350-6 人が触れるおそれがある場所のA種、B種接地工事の接地線並びに接地極

  1. 接地線を電柱、屋外その他人が触れるおそれのある場所に施設する場合は、次の各号による(解釈17)
    1. 接地線は、地下75cm以上に埋設する
    2. 接地線の接地極から地表上60cmまでの部分には絶縁電線、キャプタイヤケーブル等を使用すること
    3. 接地線の地表面下75cmから地上2mまでの部分は合成樹脂管(厚さ2mm未満、CD管除く)、又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うこと
  2. 接地線を人が触れるおそれのある場所で鉄柱のような金属体に沿って施設する場合は、前項の規定によるほか、次の各号によること

1350-7 接地極

  1. 埋設又は打ち込み接地極としては、銅板、銅棒、鉄管、鉄棒、銅覆鋼板、炭素被覆鋼棒などを用い、なるべく水気のあるところで、かつ、ガス、酸などの腐食するおそれがない場所を選び施設する
  2. 接地極の選定(推奨)
    1. 銅板は、厚さ0.7mm以上、大きさ900cm2(片面)以上のもの
    2. 銅棒、銅溶覆鋼棒は、直径8mm以上、長さ0.9m以上のもの
    3. 鉄管は、外径25mm以上、長さ0.9mm以上の亜鉛メッキガス鉄管又は厚鋼電線管であること
    4. 鉄棒は、直径12mm以上、長さ0.9mm以上の亜鉛メッキを施したもの
    5. 銅覆鋼板は、厚さ1.6mm以上、長さ0.9mm以上、面積250cm2(片面)以上を有するもの
    6. 炭素被覆鋼棒は、直径8mm以上の鋼心で長さ0.9m以上のもの
  3. 接地極と接地線とは、ろう付けその他の確実な方法によること(ろう付けは銀ろう等によること、はんだ付けによらない事が望ましい)

1350-8 建物の鉄骨の接地極

  1. 大地間との電気抵抗値が2Ω以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用することができる
    1. 非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施すA種接地工事(解釈18)
    2. 非接地式高圧電路低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事(解釈18)
    3. C種、D種接地工事
  2. 前項によりA種、B種接地工事を施す場合は、1350-6(人が触れるおそれのある場所のA種又はB種接地工事の接地線)によらない事が出来る。この場合において、接地すべき機器と接地極(前項で規定するもの)を接続する接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する時は、地表上又は鉄骨上2mまでの部分は、3165節、3185節に準じて施設すること(解釈18)

1350-9 引き込み口付近における接地

  1. 需要場所の低圧引込口付近において、建物の鉄骨(鉄筋コンクリートの鉄筋は含まれない)であって、大地間の電気抵抗値が3Ω以下の値を保っているものがある場合は、これを接地極にして、低圧電路の中性点、接地側電線さらに引込口付近においてB種接地とすることができる(注、電気事業者の低圧電路に接続されている場合は、電気自動車の承諾を必要とする)
  2. 前項の接地工事に使用する接地線は次の各号による
    1. 接地線の太さは1350-6表による
    2. 接地線は次のいずれかにより施設すること
      • 接触防護措置を施すこと
      • 3165節、3185節のケーブル工事に準じて施設すること
  3. 1項の接地線の引込口付近の中性線又は接地側電線への接続は1335-7(電線の接続)に、準じ、かつ、引込口装置の電源側においてよういに取り外すことができるように接地極又は電路に接続すること(注、この条の規定により接地を行う場合は、金属管配線の金属管、機械器具の金属製外箱、金属わく等の接地は、全て引込口接地の接地線に接続す、共同接地することが望ましい)
引込線の太さ
銅線
引込線の太さ
アルミ
接地線の太さ
銅線
接地線の太さ
アルミ
14sqまで22sqまで2.6mm以上3.2mm以上
38sqまで60sqまで3.2mm以上14sq以上
100sqまで150sqまで14sq以上22sq以上
250sqまで400sqまで22sq以上38sq以上
250sq超過400sq超過38sq以上60sq以上
1350-6表 引込口接地の接地線の太さ

1350-10 低圧電路の中性点などの接地

低圧電路に施設する保護装置の確実な動作の確保を図るために特に必要がある場合で、電路の中性点に接地工事を施すとき(使用電圧300V以下)は、次の各号による

(注、ここで言う「低圧電路」とは一次側が低圧の絶縁変圧器の二次側低圧電路、混触防止板付き変圧器(混触防止板にB種接地を施したもの)の二次側低圧電路、発電機に直接接続される低圧電路)

  1. 接地線の太さは1350-5表に準ずる
  2. 接地線は導体に銅線を使用した絶縁電線又はケーブル
  3. 接地極は、地下75cm以上の深さに埋設する
  4. 接地線の地下75cmから地表2mまでの部分は合成樹脂管(厚さ2mm未満CD管を除く)等で覆う事
  5. 接地線を鉄柱その他金属体に沿って施設する場合は、接地極を金屋体の底面から30cm以上の深さに埋設して施設するものを除き、接地協を地中で金属体より1m以上離して埋設する
  6. 接地線に接続する抵抗器、リアクトルその他は、故障の際に流れる電流を安全に通じることのできるもの
  7. 前項の抵抗器、リアクトルその他は電気取り扱い者以外が出入りできないように設備した場所に施設する場合を除き、接触防止措置を施すこと

1350-11 過電流遮断器の施設制限

  1. 接地工事の接地線には、過電流遮断器を施設しないこと(解釈35)

1350-12 接地工事の兼用

  1. 同じ個所に2種類以上の接地工事を施す場合は、接地抵抗値の低い方の接地工事で他の接地工事を兼用する事ができる

1350-13 接地線及び接地極の共用の制限

  1. 漏電遮断器で保護されている電路と保護されていない電路に施設されるききなどの接地線及び接地極は、共用しないこと。ただし、2Ω以下の低抵抗の接地極を使用する場合はこの限りではない

1350-14 接地線の共用

  1. 1350-13(接地線及び接地極の共用の制限)に規定する場合を除き、一の接地極を共用する接地線の共通母線又は接地専用線の太さは、共通する接地極と接地を必要とする個々の中から選定した太さで最大の太さを使用する

1350-15 接地線の緑色標識

  1. 接地線には次の号を除き、緑色の標識を施すこと
    1. 接地線のみ単独にはいせんした場合のように、接地線が一見容易に識別できるとき
    2. 多心ケーブルなどの1心を接地線と使用する場合は、その先進が裸線又は緑/黄のしま模様であるとき
  2. 緑又は緑/黄しま模様以外を接地線として使用する場合は、端末及び適当な箇所に緑色テープなどにより接地線である事を表示する
電気設備技術基準・解釈 まとめ

第17条 接地工事の種類及び施設方法

A種接地工事

  1. 接地抵抗値は10Ω以下
  2. 接地線は次の適合するもの
    1. 引張強さ1.04kN以上で容易に腐食しがたい金属線又は2.6mm以上の軟銅線
    2. 移動していようする電気機械器具の金属製外箱等に接地工事を施す場合は次のケーブルをしようする
      • 3種クロロプレンキャプタイヤケーブル
      • 3種クロロルホン化ポリエチレンキャプタイヤケーブル
      • 3種耐燃性エチレンゴムキャプタイヤケーブル
      • 4種クロロプレンキャプタイヤケーブル若しくは4種クロロホルン化ポリエチレンキャプタイヤケーブルの1心又は多芯キャプタイヤケーブルの遮へいその他金属体であって、断面積が8mm2以上のもの
    3. 接地極及び接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合は次のとおり
      1. 接地極は地下75cm以上の深さに埋設する
      2. 接地極を鉄柱、その他金属体と近接して施設する場合は次のいずれかによる
        • 接地極を鉄柱その他の金属体の底面から30cm以上の深さに埋設する
        • 接地極を地中でその金属体から1m以上離して埋設する
      3. 接地線には、絶縁電線又は通信ケーブル以外のケーブルを使用する
      4. 接地線の地下75cmから地表2mまでの部分は合成樹脂管又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆う
      5. 接地線は、避雷針用地線を施設してある支持物に施設しないこと

B種接地工事

  1. 接地抵抗値は内線規程参照
  2. 1線地絡電流Igは次のいずれかによる
    • 実測値
    • 特別高圧電路において実測が困難な場合は、線路定数等により計算した値
  3. 接地線は次に適合するもの
移動して使用する電気機械器具の金属製外箱等において
可とう性を必要とする部分
3種クロロプレンキャプタイヤケーブル
A種接地の移動電線参照
上記以外の場所にあって、接地工事を施す変圧器が
高圧電路または第108条に規定する特別高圧架線
電路の電路と低圧電路を結合するものである場合
引張強さ1.04kN以上の容易に腐食しがたい
金属線又は直径2.6mm以上の軟銅線
上記以外の場合引張強さ2.46kN以上の容易に腐食しがたい
金属線又は直径4mm以上の軟銅線

C種接地工事

  1. 接地抵抗値は10Ω以下(500Ω)
  2. 接地線は次に適合するもの
    • 引張強さ0.39kN以上の容易に腐食しない金属線又は直径1.6mm以上の軟銅線
    • 移動して使用する機械器具の金属製外箱に使用する場合、多心コード、多心キャプタイヤケーブルの1心であって断面積0.75sq以上のもの。可とう性を有する軟銅より線であって、断面積が1.25sq以上のもの

D種接地工事

  1. 接地抵抗値は100Ω以下(500Ω)
  2. 接地線はC種接地工事の規定と同じ
  3. 接地抵抗値が10Ω以下の場合はC種接地工事を施したとみなす

解釈24条 高圧又は特別高圧と低圧との混触による危険防止施設

高圧又は特別高圧電路と低圧電路を結合する変圧器には次の各号によりB種接地工事を施す

  1. 次のいずれかに接地工事を施すこと
    • 低圧側の中性点
    • 低圧電路の使用電圧が300V以下の場合で中性点に施し難い場合は低圧側の1端子
    • 低圧電路が非接地の場合は変圧器内の金属製の混触防止板
  2. 接地抵抗値は規定にかかわらず5Ω未満であることを要しない
  3. 変圧器が特別高圧と低圧とを結合するもので規定により計算した値が10Ωを超えるときの接地抵抗値は10Ω以下であること。ただし、次の項目は該当しない
    • 特別高圧電路が35,000V以下であって、該当特別高圧電路に地絡を生じた際に1秒以内に遮断する装置がある場合
    • 特別高圧電路が、第108条に規定する特別高圧架空電線路の電路の場合
  4. 次の各号に掲げる変圧器を施設する場合は前述の規定によらない事ができる
    • 鉄道又は軌道の信号用変圧器
    • 電路又は電気ボイラーその他の常に電路の一部を大地から絶縁せずに使用する機器専用変圧器
  5. 中性点又は低圧側の1端子に設ける接地工事は次の各号のいずれかで施設すること
    1. 変圧器ごとに施設すること
    2. 土地の状況により接地抵抗値が得難い場合は、次のいずれかに適合する接地線を変圧器から200m以内に施設すること
      • 引張強さ5.26kN以上又は4mm以上の硬銅線を使用して、低圧架空電線の規定に準じて施設する
      • 地中地線は地中電線の規定に準じて施設する
    3. 土地の状況により、規定により難い時は次により共同地線を設けて2以上の施設箇所に共通のB種接地工事を施す
      • 架空共同地線は、引張強さ5.26kN以上又は4mm以上の硬銅線を使用して、低圧加空電線の規定に準じて施設する
      • 地中共同地線は、地中電線の規定に準じて施設する
      • 接地工事は各変圧器を中心とする直径400m以内の地域であって、その変圧器に接続される電線路直下の部分において各変圧器の両側にあるように施す。ただしその施設箇所において接地工事を施した変圧器についてはこの限りではない
      • 共同地線と大地との間の合成電気抵抗値は、1km以内の地域ごとにB種接地の規定値以下であること
      • 各接地工事の接地抵抗値は接地線を共同地線から切り離した場合において、300Ω以下であること

解釈29条 機械器具の金属製外箱等の接地

内線規程 1350-2 機械器具の金属製外箱などの接地を参照

  1. 太陽電池モジュール、燃料電池発電設備又は常用電源として用いる蓄電池に接続する直流電路の機械器具であって、300Vを超え450V以下のものの、金属製外箱等に施すC種接地抵抗値は次の項目に適合する場合は、100Ω以下とすることが出来る
    • 直流電路は非接地であること、
    • 直流電路に接続する逆変換装置の交流側に絶縁変圧器を施設すること、
    • 直流電路を構成する太陽電池モジュールの合計出力が10kW以下であること、
    • 直流電路を構成する燃料電池発電設備にあっては、接続される個々の燃料電池発電設備の出力がそれぞれ10kW未満であること、
    • 直流電路を構成する蓄電池にあっては、接続される個々の蓄電池の出力がそれぞれ10kW未満であること、
    • 直流電路に機械器具(太陽電池モジュール、燃料電池発電設備、常用電源)として用いる蓄電池、直流変換装置、避雷器を施設しないこと、

さいごに

とても長くなってしまいました。

見ずらいかもしれませんが、参考になれば幸いです。

ご意見・ご感想はコメントよりお願いします。

バイバイまたねー✋

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