テープの用途を覚えよう
電気工事に使用するテープには様々な種類のテープがあります。用途を間違えて使用すると、十分な性能が得られない事や思わぬ事故につながる可能性もあります。
テープは基本的に補修や保護を目的に使用するので大切な資材の一つになります。
電気絶縁用テープ
絶縁テープとは、電気を通さない絶縁性のあるテープの事です。
用途
耐候性と耐久性に優れ粘着性があり、低圧回路の接続部の保護や電線端末の処理などに使用します。
一般的な電気絶縁用のビニルテープは高圧回路への使用はできません。高圧ケーブルの接続部には専用の高圧絶縁テープをしようしましょう。
色の種類も豊富なので目印用にも使用できます。配線時の弱電・強電の識別などに役に立つでしょう。
使用方法
電線に巻き付けて使用します。電気絶縁テープは強く引っ張らずに(しわが無くなる程度)1/2重ねで巻き付けていきます。巻き付ける回数は電線太さによって決まってきます。
電線の太さ | 絶縁テープ巻回数 |
2.0mm以下 | 2以上(4層) |
5.5sq~14sq | 5以上 |
22sq~60sq | 7以上 |
100sq~150sq | 10以上 |
200sq以上 | 11以上 |
ビニルテープを切る時はカッターなどで綺麗に切り取りましょう。良く引きちぎる方がいますが接着面が荒くなり剥がれやすくなるので注意が必要です。
私は、3M製の電気絶縁テープがおすすめです。寒い時期ではテープが冷えての柔軟性がなくなり、保護部にピッタリと巻きにくくなります。しかし、3M製の電気絶縁テープは冷えても柔軟性を保っているので巻きやすくキレイに施工する事が出来ます。
自己融着性絶縁テープ(エフコテープ)
自己融着性絶縁テープとは、その名の通りにテープ自身が融着して隙間なく保護部を覆うことができるテープです。電気工事では水気のある場所での電線の接続部や高圧ケーブルの接続箇所に使用します。
自己融着性テープでは、古河電工の「エフコテープ」が有名ではないでしょうか?私の周辺では「自己融着性テープ=エフコテープ」となっています。
新入社員のときは「エフコテープ」が正式名だと思ってました。
エフコテープの1号
自己融着性のテープ状になった充填剤になります。2号テープと組み合わせて使用します。
エコテープ2号の粘着層と完全に融着し一体化します。柔らかく指で押さえることで簡単に成形でき細かな部分への充填が可能です。
用途
- 各ケーブルの接続部や分岐部で段差が大きくエフコテープ2号が巻きにくい部分への充填用
使用方法
- 対象物の表面を十分に清浄した後、セパレータをはぎ取りながら空気を巻き込まないように、テープ幅が4~5mm狭くなる程度引っ張りながら1/2重ねで巻き付けます。
- 充填部に使用する場合は、あらかじめ適当な形に成形して空気が残らないように注意しながら充填します。
- 管零時にご使用の際は、室温程度に温めて下さい。
エフコテープの2号
エフコテープ2号は低~高圧接続部・端末部の防水処理を行う自己融着層を有したテープです。
用途
- 100V~33KVまでの電気絶縁用テープ
- 電力ケーブル接続部・端末部の絶縁防水及び傷補修、カバー類固定
使用方法
- テープにしわがよらず、耐要物に密着する程度(テープ幅が1~2mm狭くなる程度)に軽く引っ張りながら接着面を内側にして1/2の重なりで巻き付けます、引っ張りすぎるとずれが大きくなる可能性があるので注意が必要です。
- 寒冷時には、少し温め(テープ温度:5℃~30℃)ると使いやすくなります
1号と2号の違い
基本的に2号テープで処理して問題ありません。
2号テープでは巻きにくい場所や細かい部分の穴埋めに1号テープを使います。
1号テープを巻いた上には必ず2号テープを巻きましょう。
ガラステープ
ガラスクロステープは引張強度、耐熱性に優れたテープです。
用途
熱を発生する機器の電線の接続部の保護に使用されています。
使用方法
電線の接続部にガラステープを1/2重ねで1回以上巻き付け、その上に電気絶縁テープを1/2重ねで2回以上巻き付けます。
耐火テープ
耐熱性、電気絶縁性に優れたテープです。
用途
耐火電線や耐火電線の接続部の保護に使用します。
使用方法
電線の接続部に耐火テープを1/2重ねで厚みが1.3mm以上になるように巻き付ける。(0.13mmの耐火テープなら1/2重ねで5回)
次に自己融着性テープを巻き付けます(省略可)
さいごに電気絶縁テープ(ビニルテープ)を巻き付けます。
ダクトテープ
ダクトテープはテープ内側は繊維で作られ、その表面をポリエチレンでコーティングされています。その為、摩耗と湿気に強いという特徴を持っています。
粘着力も非常に強いためコンクリートなどにも張り付ける事ができます。また、ガムテープのように手で簡単に切る事も出来ます。
用途
電気工事では換気扇とダクトを接続する箇所のテーピングに使用します。
日常生活では、テントやホースの補修、粘着力・強度が強いので物の固定にも使用する事ができる利便性の高い製品です。
使用方法
とても簡単、固定したい箇所や補修したいところに張り付けるだけです。
防食テープ
優れた電気特性・耐薬品性を持つポリエチレン系フィルムにブチルゴムを主成分とした粘着剤を塗布し、優れた耐久性を発揮します。また、柔軟性に富んでいるため巻き付け作業がしやすく、低温での作業やジョイント部・屈曲部の施工にも適にています。
他には、石油から作られるペトロタラムを主成分としコンパウンドを不織布にしみこませた物もあり、柔軟性に富み、どんな形状のものにもピッタリと密着するので、優れた防錆・防食層を形成をします。
用途
金属管や鋼管ポールなどを腐食から守るために使用します。
地中埋設配管の長期的な防食として使用されています。
使用方法
金属管などに巻き付けて空気(水分)との接触を断ちます。
防食テープ単体ではなく、補助材料である下塗り材、充填剤を併用することをお勧めします。
参考書まとめ
さいごに
テープだけでも電気工事に使用する種類は沢山あります。
使用方法や用途に合わせたテープを使用しましょう。
ご意見・ご感想はコメントよりお願いします。
バイバイまたねー✋
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